佐塚です。
「住まいマガジンびお」で、フランス在住の森弘子さんに「ところかわれば」と題した寄稿していただいています。
日本とフランス、ところかわればこんなに違うよ、という内容で、回ごとに、フランス人の権利意識や、自分の主義を守るための強さを感じ、彼我の違いを感じています。
最新の、「フランスの出産の歴史」の原稿をいただいた時に、森さんとやりとりしました。
森さんが大学院に通って学んでいる内容のことです。
日本での歴史の学び、というと、少なくとも中学高校までだと、年号の暗記、という域を出ていないように思います(今は知らないけど)。
フランスの大学院ですから、そこは比べるのが乱暴かもしれません。けれど、森さんに、日本は「歴史を学ぶ」、フランスは「歴史から学ぶ」ですね、とお伝えしたところ、まさにその通りだ、というようなお返事をいただいたので、やっぱりそういう傾向があるのでしょう。
僕も若い頃に覚えた年号は今でも覚えているものもありますが、それがどういう意味だったのか、というのは学校では覚えなかった、というかテストには出なかった気がする。
今日の読書は、深井龍之介さんの『歴史思考』。ポッドキャスト「コテンラジオ」のスピンオフ(?)本です。
コテンラジオを聴いている人ならわかると思いますが、同番組はまさに「歴史から学ぶ」ということを、複数のパーソナリティの掛け合いで楽しく実感できます。
この本は、掛け合いではなくて一人での語りなので、コテンラジオのリズムとは少々異なります。だから正直、ポッドキャストの方がオススメではありますが、改めて文字で読むと気がつくこともあります。
世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する、と表紙のコピーにあります。俯瞰すなわち自身を含めて一歩引いて客観的に見るメタ認知のことを歴史思考と呼んでいます。
メタ認知が出来ない人っているよなあ。完全に自分の視点から動かなくて、天動説と地動説ぐらい違うなあっていうような人。
まあそれは置いといて、歴史を学ぶと悩みが少なくなる、軽くなるのは確かでしょう。大抵の悩みはすでに誰かが経験して残している。
それでも結局人類は同じ失敗をよくするんだけど、個々がメタ認知力(歴史思考力)を強めれば、その同じ失敗もちょっとずつ少なくできるはずだよな、と思う限り。特に、日本の政治家は歴史修正思考じゃなくて、歴史思考を身につけてほしいなあ!