「一番日が長い日」
夏至がやってきました。
「住まいマガジンびお」の
二十四節気毎の連載も
更新です。
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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。
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浜松市の場合は
夏至の日の出が4:37
日の入りが19:6
昼の長さは
14時間29分です。
今朝の5時ごろ、自宅での様子。
室内も十分明るくて
照明がなくても過ごせます。
明るすぎると
温度を高く感じる傾向も
あるみたい。
だから、夏場はあまり
部屋を無理に明るくしなくても
いいんじゃないでしょうか。
これが冬至になると
6:53から16:43で
昼は9時間50分。
およそ4時間20分の
違いがあります。
冬の5時だと流石に
照明がないとしんどいかな…
ここで、いつもだったら
太陽の日射量とか
熱エネルギーの話をするのですが
たまには別の話を。
そう、今日は
「昼の光」について。
浜松以外のところでの
夏至の昼の長さは
どんなもんでしょうか。
札幌市の場合は
3:56-19:18で
15時間22分。
(4時前に夜明け!)
鹿児島市では
5:14-19:26で
14時間12分。
同じ日でも
昼間の時間が
1時間以上違います。
加えて言えば
降水量・日射量も
大きく違います。
南の方は昼が短く
さらに雨が多い。
北の方は昼が長く
雨が少ない。
昼光利用をしようと
すると南の方が不利なんです。
こんな風に地域差があるのは
自然エネルギーの特徴です。
だからこそ、不利な南の方こそ
昼光利用を積極的に進めると
よりエネルギー削減になりますね。
(一次エネルギー算出プログラムだと
照明の基準エネルギーに
地域差はないですが)
昼光利用の目的は
昼間の光で日中は照明を
つけないことです。
これも立派なパッシブデザインの
一つのはずですが
話題になることは多くありません。
基準一次エネルギー消費量を
みると6地域で大体照明は
十数%といったところです。
冷房は数%。
基準の数値で見る限りは
冷房よりもずっと多くのエネルギーを
照明が使っています。
冷房は夏だけだけど
照明は一年中ですからね。
それでもあまり省エネルギーの
話題にならないのはなぜだろう。
「夏涼しい家」
「冬暖かい家」
は売り文句になります。
けれど
「昼間に明るい家」
って言われても売れんがな…。
ってところかな。
なんちゃってパッシブデザインで
窓は小さく少なくという
ケースもよく見かけます。
そもそも昼間は家にいない
という人も多い。
カーテンを閉めっぱなしの
家も多い。
明るくしたいからと南に
トップライトを下手につけたら
冷房負荷が激増しますしね。
そんなわけで昼光利用は
大ブームには至っていません。
多分これからもなりません。
そんな風に地味な存在だけど
ちゃんと使えば確実に
無駄なエネルギー消費を減らせます。
こちらは、とある古い町家で見かけた
明かり取り。
面倒だしリスクもあるけど
それでも欲しい明かりも
あるわけで。
この手の話になると、谷崎潤一郎の
『陰翳礼讃』がよく出てきます。
僕も家の全部が明るい必要なんか
ないと思う。
暗くてもいいところや
暗い方がいいところもたくさんある。
(好みとか、年齢による目の感覚とかで
結構変わりますけどね)
でも、当の谷崎は実は
明るくモダンな家が好きだったとか…
リンク先は
北海道胆振東部地震の後の
毎日新聞の記事です。
照明のエネルギーは
発電所に何かあった時ぐらいしか
話題になりませんが…
暗がりの美を称揚する文豪も暮らしの場にはおのずと別の基準を用いた。
という一文が心に残っています。
仕事上の美意識と私生活の美意識は
一致していなければいけないのか
そうではないのか。
こんなこと言われると
ドキッとする工務店の社長も
多いかもしれません。
もちろん僕も。
あれ〜、昼光利用の話のはずだったのに
暗い話になってきた…。
明るく前向きな
昼光利用の話があったら
ぜひ教えてください!