地方都市の戸建て駐車スペースには選択肢がないのだろうか


地方都市には車は必須!
という話は耳タコ状態です。

公共交通の発達した
大都市に住んでいる人には
全然わからないかもしれませんが

地方都市では鉄道はJRが
自治体名と同じ名前の駅で
走っていて

もしかして私鉄が一つぐらい
あったらやや都会。
そんな状態です。

浜松のある静岡県西部を例に出せば
JR東海道線の浜松の東側は

天龍川(これは浜松市)
豊田町(当時豊田町、合併して磐田市)
磐田(磐田市)
御厨駅(磐田市・ジュビロ磐田スタジアムの最寄り)
袋井(袋井市)
愛野(袋井市・エコパスタジアムの最寄り)
掛川(掛川駅)

ほとんど自治体ごとに一つと
サッカーのスタジアムに一つずつ
という状態です。

駅前に通勤する人ばかりじゃないから
電車に乗っていない大人は
どうしているかというと
自家用車に乗って通勤するわけですね。

そんなわけで、地方では
車が必須と言われるわけです。

少なくとも駐車スペースは2台
状況によってはもっとたくさん

東京など、地価の高い人から見れば
そんなスペースを確保できるのかと
驚くかもしれませんが

地方都市では
ここに疑問を感じる人は
少ないかもしれません。

区割りされて販売されている
住宅地では、道路に面して
駐車場を確保する他ありません。

ただ、これから宅地分譲をしよう
ということであれば話は違います。

分譲地を、あくまで
個々の住宅がたくさん並んでいるもの
と考えるなら今まで通りですが

せっかく複数の住宅を
同時に計画できるなら
従来と違うことができるのでは?
なんていうことを

コロナ禍でやっていた
秋山東一さん・田瀬理夫さんとの勉強会
「A2プロジェクト」で学んでいました。

A2 project
「箱」から「場」へ

家のそばまで車がつけられる
というのが当たり前の地方都市で

車を遠ざけて、子どもたちが
伸び伸び遊ぶことができる

というのは、子どもは良くても
大人が反対しがちです。

雨に濡れる、重い荷物がある
車が心配、などなど…

でも、マンションの駐車場って
そもそもそんなですよね?

それが嫌だから戸建て
という人もいるかもですが

その逆の選択肢は
ほとんどありません。

今、駐車場を脇に置いておいて
子どもたちが家のそばで
伸び伸び遊べるという
町づくりを進めています。

ここに書いたような駐車場の
批判は常につきまといます。

でもさあ、自分たちが子どものころ
車って遊び場(道路)に入ってくる
邪魔な存在じゃなかった?

もちろん懐古だけでなく
子どもと、家と、地元が
どういう関係を作っていけるのか

次世代のモデルになると思って
進めています。

車が大事という人もいて
ガレージに格納したい人がいるのも
わかります。

僕もオートバイは小屋に
しまっていますし。

でも、そうでない人も多いはず。

写真は、神戸の里山住宅博での
松澤穣さんといなほ工務店さんの
建物。

車が出た後は緑と砕石で
庭から連続しています。

町を作るまではいかなくとも
車が出て行った後の駐車場が
無機質なアルミとコンクリートだけ

とはならないような場所を
作っていきたいですね。