ロマンティックな雰囲気の場所・金山のこれまでとこれから

イザベラ・バードが明治11年、金山町を
訪れた際に

金山は「ロマンチックな雰囲気の場所」
と評したんだとか。

そんな金山のこれまでと
これからのまちづくりについて
学んできました。

バードはさらに、この金山三峰を
「日本のピラミッドだ」
と表現して

バードの足跡が金山には
色々残されていて

大堰公園には記念碑があります。

バードが1ヶ月近くかけて
移動してきた距離も
今は4時間もかからずで
楽チンですが

歩いてきたからこそ
この町に出会ったときの
ロマンチックな気分は
ひとしおなんだろうなあ…

山形県金山町が全町美化運動に
取り組み始めたのは1963年から。

1981年には
金山町住宅建築コンクールを実施。

街並みづくり100年運動が
1984年から始まります。

片山和俊さんはここから参加しています。
この橋は片山さんによる木造の橋。

子どもたちの安全な通行だけでなく
途中にはベンチもあって
夕涼みにビールを持って近所の人が
寄ってくるらしい。素敵!

全町公園化構想は1991年から
くらしの道づくり計画は1996年前から

これらが継続中である
ということがとても重要です。

片山さんからは「設計寺子屋」で
金山町のまちづくりについて
みっちり講義いただいていたので

予習はできていましたが
現物を見ないとわからないことも
たくさんあります。

そして、何より心強かったのは
先人が作ってきたまちを
よりよくしていこうという人の
存在です。

カネカの川崎恭平さんは
都内で設計事務所に勤務したのち
地元に戻り、町の資源を活かして
町に貢献する、そんな取り組みをしています。

↓川崎さん(右)と片山さん。

金山町は、まちづくり計画の段階で
観光メインではなくあくまで生活の場
としてきたこともあってか

中心部に宿泊施設がなかったり
街歩きしながらお金を落とすようなところも
ほとんどなかったりします。

川崎さんは、せっかく作られてきた
風景・建築が有休化していること
それをより活かしていきたいと

E-Bikeだとかクラシックカーだとか
そういうった仕掛けも通じながら
人を呼ぶような活動をしています。

カネカさんにはこんな看板があって

自分たちで育て、伐った木を
設計者の川崎さんが自ら
番付するという

他にない特徴を持っていますが
それでもあくまで民間です。

景観条例とかまちづくりとか
そういう話になると
工務店は、どこか遠い話のように
思うわけですが

民間の一社でもやれることは
いろいろあるんですよね。

例えば、良い環境を担保するために
区域の建築に
一定の制約を作る「建築協定」

行政に申請するための費用は
かかりません。

もちろん、作るエネルギーや
守っていくための仕掛けだとか
労力はかかるのですが

分譲地として、分譲者の手を
離れた後も、環境を担保するための
一つの仕掛けになります。

売り抜くことだけが目的の
ミニ開発ならいざ知らず

環境を作る工務店を自負するなら
小さい規模でも挑戦してみてほしい。

小さい規模で環境担保といえば
定期借地でやるという手もあります。

土地は家を建てた人のものでなく
地主のものなので
(特に共有部分の)環境を
保ち続けることが可能です。

ともあれ、大きな規模の取り組みは
自分に関係ないと思わずに

どこまで分解したら
自分の手の届くことになるのか

そんな風に取り組みに
役立てたいですね。