⼤美輪の杉林づくりの方法に驚く

金山で見せてもらった⼤美輪の大杉。江戸時代、享保年間の植林と推定され、樹齢300年、樹高は59mというこの美林でなかなか面白い話が聞けました。


金山で見せてもらった
⼤美輪の大杉

江戸時代、享保年間の植林と
推定され、樹齢300年

樹高は59mというこの美林で
なかなか面白い話が聞けました。

ご案内くださったのは
金山町森林組合の刈谷さん

通り一遍の説明ではなくて
個人の感情もたっぷり入った
それでいて整然としている
良いお話しでした。

⼤美輪の美林は300年を越す
人工林です。
平均樹高49m、最高59m。

いつ測っても最高は59mらしい…
ナンデデショウネ(棒読み)

民有林であり、現役の経済林です。
間伐せずに大経木を活用しています。

金山は雪の多い地域ですから
杉も単独だと雪に負けてしまいます。

このため、まとまって植え
育ったところを一本ずつ伐っていく

一本切れば、材積だけなら
家一棟分にはなるといいます。

実際には全ての部位が
家に使えるわけではないから
一本=一棟、というわけではありません。

⼤美輪の杉を挽いたものを
見せていただきました。
(一番上のもの)

よく目が詰まった材です。
長年育ってきたものだから
使う方も大事にしないとね。

でも、この林を
今から作ろうと思っても
とてもできません。

ただでさえ林業は
自分の世代ではなく
次の世代のためのものですが

300年となると
さらに世代が違います。
(徳川吉宗の頃だもんね)

普段は間伐され
枝打ちされた林ばかり
見ているので

こういうワイルドな
杉林は新鮮でした。

隣接する木を伐ったことによって
陽が当たるようになった側に
木が曲がり始めたり
枝が出始めたりと

当たり前だけど
杉も生きているのだなあ、と。

大経木は、加工機に入らないため
嫌われる傾向があります。

おかげで、ある意味
コストパフォーマンスの
いい材でもあり

活用できるケースでは
どんどん使っていったらいい

けど、それで森林のサイクルが
崩れるようなことがあっても難しいし
川下側の我々にはそこまでの
コントロールはなかなかできません。

せめて、佳き生産者と巡り会い
そこから材料を買う

川下にできることは
そういうことなんでしょうね。