住まい手さんが家を建てる動機って、なんなんでしょうね?
このところ、工務店の宣伝では「家事楽」系がハバをきかせています。
まあ、家事も苦しいよりは楽なほうがいいとは思うので、これはこれでいいのですが、それが一番の「動機」ではありませんよね?
家を建てる動機としてよく挙げられるのは
・結婚や出産で家族の人数が変わった(というか、手狭になった、ってことかな)
・家賃がもったいない(よく言われる、賃貸と持ち家どっちが得か問題)
・騒音問題(周りがうるさい、自分達がうるさいのが心苦しい)
家事楽とか高断熱とかは、「建てるならこうしたい」という希望であって、一般的には、動機ではないのでは。
(動機になっている人もいなくはないとは思います)
上の三つの動機のうち、「手狭」問題は、やがて「家が広すぎる」問題に変わるので、なんだかな、です。
「家賃」は、厳密には比較できないと思うんだけど、要は自分の資産になるかどうか、ですね。
(ヘボい家だと資産にならないかもしれません)
実際のところ、「騒音」と「手狭」が動機っぽくなりつつ、持ち家、という見栄も手伝って家を取得する、というケースが多いのかもしれません。
なんて、ちょっと嫌味な書き方をしましたが、それというのも、世の中に「マンションの一室を切り取って置いた」みたいな家が多いからです。
窓は少なく(マンションも構造上、そうですね)、駐車場は全面舗装。庭というか、木の一本もない。
要するに、上階や隣家の騒音に悩まされず、下階に気を使わずに子どもが走り回れる場所、としての戸建。
まあ、ひとんちだから、僕がとやかくいうことではないかもしれませんが、でも全面舗装とか、木が一本もない、とかいうのは、法律で禁止してもらいたいな〜。
しかしこの思いとは裏腹に、これからはもっとこういう家が増える気がします。
ナフサショックも含めた建築費上昇、あるいは心理的要因も手伝って、外構予算までつけられない、という人が増えてしまうでしょう。
外構とセットでなければやりません、と言っている工務店も多いけど、じゃあやらない、と言われるよりは、背に腹はかえられぬ、で、結果、益々切り取りマンション的家ができてしまう…
外構予算が削られる、というのは要するに、庭が「あったらいいけどなくてもいいもの」だと思われているということです。
でも本当にそうかな。

マンションで実現しようと思っても難しいのが、庭です。
バルコニーに植物を置く、ぐらいはできるけど、植えてもいない木が伸びてきて、そこに鳥がやってきて、というのは、戸建の庭じゃなきゃ、なかなかできません。
ぼくんちは、庭、というには及ばない、ボサボサの草と巨木に囲まれた家になってしまいましたが、鳥もたくさんやってきて、鳴き声も素敵です。
もちろん、落ち葉も鳥の糞もたくさん出ます。でもまあ、出てもいいじゃない。

緑に囲まれて暮らしたい、というのは、ものすごい動機になる、と思うんだけど。
予算配分上で、庭にたくさん回すことはできないかもしれないけど、だったら住まい手自身で作る、ということだってできるはず。
家の中のことばかりで戦っていると、ライバルは賃貸にもマンションにも増えていく一方です。
内と外がどう繋がるか、そこをちゃんと見せられる工務店は、まだそんなに多くない気がします。

