地震のリスクを地域別に分けるのはやめよう


地域の一隅を照らす工務店を
応援したい佐塚です。

石川で大きな地震が起こり
亡くなった方も出ています。
大変いたましく、お悔やみ申し上げます。

その後の大雨もあり
被災された方、作業されている方の
無事をお祈りするばかりです。

今回は珠洲市で
震度6強を観測しました。

建物に被害が目立ちはじめるのは
震度6弱からとされています。

でも、過去には震度5弱の地震でも
死者が出たことがあります。

地震はどこでどのぐらい起きているのか。

気象庁の震度データベース検索で
調べてみましょう。

震度データベース検索

2000年1月1日から今年の5月6日までの
震度5弱以上の地震がこちら。

348回の地震が起きています。

この図を見て分かる通り
全国にまんべんなく分布していますよね。

表示を震度6弱以上にしてみると

57地震と数は減りますが
やはり色々な地域に分布しています。

このように地震は全国で
起こっているのに、法律や保険は
地域差を設けています。

地震保険の保険料は
都道府県によってずいぶん差があります。

県をまたいで仕事をしていないと
あまり気にされないかもしれませんね。

ロ構造(耐火でない木造)の保険料が
1,000万円・1年につき
一番安い地域では11,200円。

これに対して地震大国(?)静岡県では
最高額の41,100円です。
(それぞれ割引なしの場合)

同じく現在の最高額は
茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川の関東圏と
徳島、高知の四国2県。

地震予測や建っている住宅のリスク等で
保険料が決められているといいます。

でも、先の図を見て分かる通り
別段、保険料が高い地域だけで
地震が起きてきているわけではありません。

保険料が高い地域だろうが
安い地域だろうが
大地震は現に起きています。

石川の地震保険料は
一番安い11,200円でした。

そしてもう一つ
地震地域係数Zについて。

地震力を表すZも国交省の告示で
地域ごとに定められています。

地域によっては地震が起こりにくいから
「弱く作ってもいいよ」という
ある意味とんでもない制度です。

静岡県は告示ではZ1.0ですが
県独自の地震係数Zsが
義務化されています。

Z=1.2で、
壁量計算の場合は
1.32倍にすることが求められます。

(でも性能評価時にはZは1.0で良しになる。
これもなんだか変だけど。)

今回大きな地震が起きてしまった
石川県珠洲市の地震地域係数は0.9です。

熊本地震に見舞われた熊本県も、
0.9や0.8と
「お上が弱くしても良い」と定めた地域でした。

「あんまり大地震きそうもないから
やっぱ割り引いていいよ」

なんて明らかにおかしい!

行政にこういう緩和は
改めてもらいたいとともに

作り手は日本全国津々浦々
大地震が来る可能性を踏まえて
家を作って欲しい!

以上!