シンケンの『建築も経営も語れる「100人」の職人』


地域の一隅を照らす工務店を
応援したい佐塚です。

今日も鹿児島でのセミナーより
日本一の工務店といわれる
シンケン・迫英徳社長のお話です。

当初は、とがった話をしようと
考えていたけど、スタッフに
反対された、と前置きしながらスタート。

この時点で、おや? と思った人も
いるかもしれません。

迫さんのイメージは「唯我独尊」
(なんて、勝手にすみません!)

それが社員に言われて講演方針を
変えてくるとは。

そう、実はシンケンさんは既に
カリスマ経営者のワンマン会社では
なくなっていたのです。

それを端的に表すのは
このセミナーで配布した
「シンケンスタッフによるアンソロジー」

120名のスタッフが
シンケンとはどんな会社かという
思いをつづったものです。

シンケンが好き、誇りを持って
取り組んでいる、ということが
随所に見られます。

そして何より、みなさん
「住宅バカ」
なことがわかります。

今回、迫さんが冒頭で示した
大きな方向性は

建築も経営も語れる「100人」の職人と作る。

ということ。
(100名以上いるのですが、キリのいい数字で)

住宅バカではありますが
建築のことだけ目を凝らすのではなく
経営意識をスタッフに浸透させています。

前日の見学時に、バスや見学先に
スタッフの方々を配置くださいました。

どなたに何を聞いても
「それはわかりません」「担当ではないので」
みたいな曖昧な答えは返って来ません。

営業担当とか設計担当とか
もちろん業務は分かれているのですが
その垣根をヒョイと乗り越えてお話してくれる。

これは当たり前のようでいて
すごいことです。

迫さんは講演の中で

他がやらないことをやる

難しいことをあえてやる

ということを話されました。

スタッフ皆が建築も経営も
語れるということは
他がやらない難しいことかもしれません。

でも、住宅のデザインを真似るよりも
他の会社にも可能性があるのではと
感じました(簡単じゃないけれど)。

実はこのあたりの話は「前振り」で
時間のほとんどは「建築のスタディ」
に使われました。

前日見学したスタディハウスで
窓から何が見えるのか
季節ごとに日はどのように照らすのか

隣接する26年住み続けた家では
あえてメンテナンスをしない箇所に
どんな変化が起こるのか。

そういうったことを
丁寧に検証し、スタッフ皆に共有し
より良いものにしていこうという熱意。

これだって、真似たらできるかもしれません。

建てた後の家で、ここまで学んでいますか?

「アフター対象」や「集客装置」
といった、目の前のお金のことだけの
存在になっていませんか?

最終的な成果物のレベルはともかく
その姿勢は誰もが今すぐ真似できるはず。

そんなことが強烈に印象に残った
お話でした。

(うちも偉そうなこと言えないから、参考に色々切り替えていきます)