現代の民家とは、というお話

森とすまいの学校開校記念講演で、三澤文子さんの「現代の民家とは」というお話を伺ってきました。


浜松を拠点にした
設計者が中心になって
活動している

森とすまいの会

という団体があります。

もう25年も前から活動をしていて
先般、100回目のサロン活動を行ったのを機に

「森とすまいの学校」
というスタイルに改め

記念講演に建築家の三澤文子さんが!

三澤さんとはしばらくお会いしていないので
ぜひお話を聞きたいな、と参加してまいりました。

会場は奥浜名湖の国民宿舎

浜名湖、とはいうけれど
実際は都田川のどデカい河口です。
ちょうど、川と湖(通称)がつながるあたり。

講演の様子は撮影禁止でしたので
講演会後の懇親会での三澤さん(Ms建築設計事務所)と
左は初代校長の眞瀬さん(番匠)

講演のテーマは
「現代の民家を考える」

民家、と聞くと古いイメージを持つ人も
いるかもしれませんけれど

民が住むところ、すなわち民家なわけで
あらゆる住宅事業者が考えなければ
いけないことです。

架構を大事にしたい、と
DボルトやJパネルに携わり

教育が大事であると
岐阜森林文化アカデミーや
MOKスクール・住宅医の取り組みなど

アカデミックなお話は
これからはじまる「森とすまいの学校」にも
大いに参考になるだろうお話でした。

僕の心に一番残ったのは
住宅建築4月号にも掲載の
土絵と本の家

施主も女性
設計者も女性
大工にも女性が

僕は別にクォーター制のような
無理やり女性の枠を作ることが
必ずしもいいとは思っていませんが

そういう制度がない中で
そうやって中心的存在として活躍する
というのはすごいことだなと思う反面
すごいと思わないように
なっていかなきゃいけないな、と…

このほかにもかつての民家
台所仕事が大変であり、かつそれをするのは
女性が当たり前、という時代のプランの
改修物件なども紹介していただき

現代の民家とは男女平等である

と言われたのが印象的だったなあ…

という話を懇親会の自己紹介で偉そうに喋ったら
翌日はあんまりみんな口利いてくれなかった…?
かどうかはともかく

女性平等が現代の民家だ
と言われてもピンとこないかもしれませんが

もう一つの定義として

少なくとも100年は保つもの

これなら目指せますよね。

100年保つということは
100年後の目で見ても恥ずかしくない
そんな家にしなくちゃいけません。

今建っている多くの住宅が
物理的にはもちろん

プランの面で
そして景観の面で

さらには施主の愛着の面で
100年保つのかな〜?
というものばかりです。

100年後のことなんか知らないよ
というのが本音かもしれないけど

100年後に自分のひ孫が
工務店を継いでたとして

ひいじいちゃん・ばあちゃん
こんな家作っていたんだ!と、驚いてもらえる
(こんな家作ってたのかよ〜、ではなくてね)

そんな家を残していかんとね。