エアコンのメンテナンススペースは確保されているか


お掃除機能付きエアコンの
普及でエアコンの手入れが
行き届かなくなったかもな…

なんて思ってます。

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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。

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自宅LDKの壁掛けエアコンの
フィルターを掃除しました。

フィルターの自動掃除機能が
ついているので一見埃は皆無ですが

よくみると油でフィルターが
詰まっています。

左は掃除前。右は掃除後。

僕は中華料理が好きなので
激しく炒め物をしたりするのですが

気流に乗って油がエアコンまで届き
フィルターに付着しているんですね。

図は夏のエアコンの仕組み。
(に、素敵な手書き解説が
加わったもの)

室内の暖かい空気を
室内機の熱交換器(蒸発機)で
冷媒に移します。

その際、熱交換器の目詰まりを
防ぐためにフィルターがあります。

室内の空気って汚いですからね。
油に限らず、埃やら何やら。

幹線道路沿いなどでなければ
外よりよっぽど室内の方が
汚いことが多い。

埃だけなら自動お掃除で
取ってくれますがこれも曲者。

埃を室外に排出するタイプならいいけれど
タンクに貯めるタイプもあるので
そこのメンテナンスは必要です。

けれど、お掃除機能がついているから
メンテナンスフリー!と思っている人
多いみたい。

プロにメンテを頼むと
このお掃除機能が邪魔な機構なので
かえって値段が高くなったりします。

でももっと肝心なのは
熱交換器やその先にある送風ファン。

冷媒と室内空気で熱交換をすると
どうしても結露が発生します。

室外機側にドレンホースがあって
ポタポタ水が出てきますよね。
あれが熱交換時の結露水です。

この結露水はドレンホースで
綺麗さっぱり流されて…
いるわけないですね。

蒸発機や、その先にある送風ファンは
結露水だらけになります。

カビの発生条件は
「温度」「湿度」「栄養」

冷房運転停止後のエアコンは
これら全てを満たしやすくて
エアコンの内部はカビやすいです。

数年使ったところで一度バラして
みましたが、こんなところを通って
出てきた空気を浴びているのか…と
ゲンナリしました。

(写真撮ってない、痛恨!)

今回はフィルター掃除だけしましたが
中を覗いてみると、やっぱりそれなりに
カビているような。

これを防ぐためには
「温度」「湿度」「栄養源」
を断つしかない!

で、手っ取り早いのは
「温度」と「湿度」条件を満たさないこと。

つまり連続運転ですね。

全館空調の多くが季節を問わず
24時間稼働を推奨しています。

季節によっては
熱交換をしない送風運転で。

止めるとカビちゃう可能性が
あるから、とは明言していない
かもしれません。

この手のものは
住まい手の判断(電気代が…等)で
止めてしまうことがありますが

正しく使えないと
ちょっと怖いですね。

少なくとも夏場に
間欠運転をするエアコンは
結露が避けられません。

内部クリーン機能がある
エアコンもありますが
要するに暖房で結露水を乾かす機能です。

夏にエアコンを使った後は
暖房してお手入れしましょうね
なんてなんだかなあ…

ともあれ夏に動かすエアコンは
フィルターよりも蒸発機と
送風経路のメンテナンスが必要です。

壁掛けで露出していれば
この辺は楽ちんですが

床下とか階間とかに入っていると
送風経路へのアクセスは
意外と大変です。

数年使ったら本体丸ごと交換!

が一番楽かもしれないけど
それじゃもったいないですよね。

どんな設備でも
メンテナンス経路とスペースは
ぜひ確保しておいてほしい。

できてない工務店、結構多いですよ。