竜巻に備えるのは難しいけれど

九州を中心に記録的な大雨があって
災害はもう非常から日常に
変わってきたなと感じています。

昨日の夕方、防災メールから
こんなものが届きました。

当初は予報でしたが
次に来たのは

目撃情報ありと。

昨日は二輪で通勤していたので
ちょっとビビりました。

僕は無事帰りましたが
静岡県掛川市でトレーラーが
横転したとのこと。
(幸い死者は出ていません。)

NHKNewswebより。

このほか、ゴルフ練習場で
ネットの支柱が倒れたとか。

災害というと
地震と津波
台風と水害

そういうイメージが強かったのですが
竜巻というものもあるんですよね。

地震被害や津波被害の住宅は
実物を見せていただいたことがありますが
竜巻被害については実物を見たことがありません。

仲間の工務店からは
竜巻被害の実態を伺ったことがあります。

建具や外壁、屋根などの被害が出るようですが
不幸中の幸いで、構造まで被害が出たという
ケースは身近にはありません。

たまたま身近にありませんが
大きな竜巻で建物が全壊したり
死者が出たりということは
日本でもたびたび起こっています。

台風ほどに広範囲・長期間にわたらないので
報道も一瞬で過ぎていきますけど
もし被害があればかなり大きくなることもあります。

とはいえ、竜巻対策、として住宅側で
できることって、特にないんですよね。

構造については、耐震性能を上げていけば
耐風性能も上がります。
(あんまり耐風等級を売りにしているところは
見たことないけど)

竜巻の大きさは世界的に
藤田スケールという基準で表されます。
(日本だと最近は改良藤田スケールというのが
できています)

F1からF5まであって、日本ではF4以上は
観測されていないということです。

F3は、5秒間の平均風速が70〜92m/s。

2019年に上陸した台風19号は
未だ爪痕を各地に残していますが
この時の最大風速が55m/sです。

瞬間的な竜巻と
ゆっくり通過する台風とでは
直接比較はできませんけど

あの台風よりもまだまだずっと
大きな風に見舞われたら…

平均すると日本の陸地で起きてる竜巻は
年間25個程度ということで
台風の発生と同じぐらいです。

でも、難しいのは、規模が予期できる地震や
ハザードマップなどで予想できる水害と違い
発生場所の予想ができないこと。

そして、突然発生すること。

台風はずいぶん前から接近が
予想できますけど、竜巻は
突然起こります。

沿岸部で発生しやすいという統計は
ありますが、内陸部で出ないわけでは
ありません。

ある意味、運のようなところも
あるわけですが…

工務店ができることは

  • 構造は間違いなく作っておくこと
  • 屋根や外壁の施工をしっかりやること
  • 火災保険の説明をしっかりしておくこと

は基本として、難しいのは
開口部の保護かな〜。

風だけでガラスが割れることは
そうそうないでしょうけれど
(アメリカのような巨大な台風ならわからないけど)

何かが飛んできて割れるということは
あり得ますよね。

でも、シャッターボックスとか
雨戸の戸袋とかはデザイン的な
問題もあってか、つけないケースが多い。

滅多に飛んでこないもののために
カッコ悪くしたくないなって
僕だって思います。
(お金もかかるし)

数十年に一度の局地的な災害で
構造的に問題が生じないのなら
そこまで考えてなくてもいい、というのが
正解かもしれません。

でも、お客様に
「竜巻が来たらどうなるんでしょう」
と言われた時にどう答えるか。

保険入っときゃ大丈夫っすよ〜

だけだと、プロとしてどうなのか。

僕も含めて、竜巻のことは
報道がなければ忘れている人
ばかりでしょうけれど

そういう事態の時に
安心させてくれる存在として
万一の時にすぐに駆けつけるのが
地域工務店の矜持ですよね。

すぐにと言いたいけど、実際は災害明けは
仕事が集中してお待たせすることも
多々あります。

そういうことも含めて
リアルタイムに懸命に対応している
という情報なんかをお伝えしつつ

そういう記録も残しておく。
後からも見られるようにしておく。

カタログスペックには載らないけれど
プロとしての姿勢が表現される。

そういうことには
やっぱりブログが一番適している
メディアですね。

なんか、災害を利用しろ…
みたいに見えちゃったら本意ではないですが

色々な工務店を見ていると
お客さんの満足度はそういうところにも
結構現れているように見えています。