地形が変わってしまうような地震があった

昨日の朝、浜松はすごい雨と雷で
洪水の恐れがあるとスマホの避難情報が
なりまくっておりました。

慣れてはいけないはずですけど
だんだん「また警報か」みたいに
考えてしまうのが怖い…

さて、最近は豪雨の影に
隠れている(?)けれど
災害のトップクラスと言えば
地震です。

室町時代後期、明応7年の今日
8月25日に南海トラフ巨大地震がありました。
「明応地震」と呼ばれています。

(当時の暦の8月25日なので
西暦だと9月ですけど)

現代も、やがて起きるとされている
南海トラフ巨大地震

最悪の場合は死者32万人超と
予想されています。

明応の地震ではマグニチュード8.6程度
浜松付近の推定震度は7相当と言われていて
やはり、かなりの大地震です。

それまで、淡水湖だった浜名湖も
地震で砂州が決壊し海と繋がりました。

その浜名湖には大きな鳥居があります。
新幹線からも見えるので
知っている人も多いかも?

先日の地元紙に
こんな記事が出ていました。


8月21日 中日新聞静岡版朝刊の1面より。

気づいた頃にはすでにあったので
さぞ昔からある由緒正しいものだと
思い込んでいたら

今年で50周年とのこと。
なんだ、俺より年下か…

それより驚いたのが
これ、実は鳥居ではないそうです。

紙面の内容がこちらでも読めます。

浜名湖のシンボル「赤鳥居」愛され半世紀 設立時には反発あり、苦労も:中日新聞しずおかWeb
JR東海道線の車窓から浜名湖を望むと、ひときわ目を引く「赤鳥居」。浜名湖の観光シンボルとして親しまれている「弁天島観光シンボルタワー」...

鳥居というのはご存知のように
神社(神道)に設置されるものです。

見た目はスカスカですが
神域と俗域の境界としての役割がある
いわゆる「結界」的なやつ。

一方、この浜名湖のやつは
そういう結界要素はありません。
湖の中の瀬に立っているだけ。

そもそも建設地は国有地で
国有地に特定宗教のシンボルを建てるのは
憲法違反だという声があったそうです。

それに対して
「たまたま鳥居の形をしたシンボルタワー」
と突っぱねて実現したんだとか。

実は、よくみると
「シンボルタワー」と書いてあるそうで…

ホントだ…。

そう、これは鳥居ではなく
「観光シンボルタワー」なのです。

築50年も知らなかったけど
鳥居じゃなかった、ってのも
知らなかったよ…

さて、シンボルタワーじゃなくて
地震の話に戻ると

大地震で陸地が切れて
海になっちゃったわけです。
その切れた場所を「今切口」といいます。

これは、西側から南東方面を
見ている写真。
高架は国道1号線の浜名バイパスです。

この部分が
地震の時に「今、切れた!」という
ことで付いた名前だそうですが

震度7の地震で
海岸線が切れた瞬間を見ていた人は
無事だったのだろうか…?

それはともかく、今切口が
開いた影響で
浜名湖は汽水湖になりました。

でも、浜名湖は河川法上は
湖ではなく「川」です。

都田川の河口、という扱いです。

海と繋がっているおかげで
多様な水産資源があります。

浜名湖というとウナギのイメージが
強いでしょうけれど
一番漁獲量が多いのはアサリ。

(ただしここ数年は激減しています)

この他にも、クロダイ、ワタリガニ(ガザミ)
クルマエビ、タコ、ハゼ、サヨリ
海苔、カキなどなど

ご覧の通り、海のものが多いです。

そういうこともあって、漁業法上は
「海」扱い。

名前は「湖」

と、なんともややこしい存在ですが

風光明媚だし
美味しいものもたくさん取れるし
僕は大好きです!

以前の職場が浜名湖畔にありまして
これは書くとまた長くなるので
そのうちに…

と、話があちこちにいきましたけど
とにかく驚いたのは
弁天島の鳥居が、鳥居ではなかったこと!

そして読者の皆さんは
浜名湖が、湖じゃなくて川だったことも
ぜひ驚いてください(こっちは知ってた)。

そして何より、そのうち来ると言われている
南海トラフ巨大地震。

地形をも変形させてしまうような
大きな地震が再来するかもしれません。

既存を含んだ住宅の耐震化率の
推計は、年々向上してきていて
おそらく次回調査では90%を超えるのでは
というところまできました。

この耐震化率はあくまで
新耐震基準を満たすかどうかであり

地形が変わるような大きな地震に
本当に耐えられるのか?

耐震性能は、暑さ寒さと違って
普段暮らしていても気になったりしません。

だから、お客様の要望も
多くないかもしれません。

けれど、生命・財産を守る、という点では
住宅の最も重要な要素です。

ここは絶対におろそかにしてはいけない。
自信持ってやっていますか?
(地震にかけたわけでは、ない)