ないものはつくればよい、のでラー油を作る


とある現場で必要なものがあったのですが

付き合いのある建材屋から取れない

という理由で
断られたことがあります。

部材の加工が必要なものについても

そんな風な加工はできない

いうお返事をいただいたり。

もちろん、図面に描いてあったら
あとは現場の責任でなんとかして
というわけではなく

図面に描かれた意図と
入手性や難易度などについて
設計者・施工者双方が
理解し合うことが大切ですね。

僕は直接の設計も施工もしませんので
横から言うだけですが

「手に入らないからできない」というのは
「手に入るものだけでしかやらない」という
姿勢なんだよな〜、と。

買ってきたものを組み立てる
組み立てにも、もちろんスキルは要りますが
それでどうやって自社の優位性を出すんだろう。
価格かな?

例えば、ラーメン屋さんで

うちのスープは〇〇会社のスープ
麺は××製麺の麺
チャーシューは□□ハム製です!

なんてうたっていたら
それってアンタのところで
食べる必要ある? と思いますよね。
値段が安いぐらいか?

ところが、建築・住宅業界になると
こういうケースが結構目立つ…

マンションや建売住宅などの売り文句は
「場所」「価格」「設備」が
ほとんどですね。

元々の「要望」が存在していないから
図面に「無いもの」が描いてあることもないし
「あるもの」で作ると差別化要因がなくなって
「場所」「価格」「設備」だけが残る。

でも、そんなマーケットで戦うのは
消耗戦ですよね。

既製品で構成できない、そんな時は
ないものは作ればいい、というのが
ものづくり工務店の強みです。

なんてことを、設計も施工もしない僕は
毎週の料理の中で思うのでした。

中華料理好きなのでラー油が
すぐ無くなります。たくさん使うし
好みのものしたいので、作ってみました。

ネギ、生姜、花椒、鷹の爪を
米油で炒める…というか、揚げて
油に香りを移します。

(香味野菜は揚げたあと
麻婆豆腐に入れて食べちゃった)

水で練った唐辛子の粉に

香味野菜を取り除いて
再加熱した油をかけてあげると

ブクブクと泡を出しながら
いい香り。

これでラー油の出来上がり。

(『四川料理のスゴい人
自宅でつくる本格中華レシピ』より)

米油で作ったラー油は
そこらへんのスーパーでは
なかなか売っていません。

でも、ないなら作ればいい。

僕だってあらゆる調味料を
作るわけではないし
市販のものだって使います。

市販品は、いつか「終了」
することがあるけれど
自分で作れれば、「終了」も怖くない!

とはいえ、やっぱり
時間とお金の兼ね合いですね。

ないものに対して、どれだけのコスト
(現金、だけでなく時間とか情熱とか)
がかけられるのか、かけていいのか

このさじ加減が、ものづくりの
醍醐味の一つじゃないでしょうか。