震度7に耐える…って言わない方がいいのかも。

モロッコで大きな地震がありました。
報道のたびに死者数が増えていて
心が痛みます。

住宅の多くは日干しレンガでできていて
耐震性能が低かったようです。

『三匹の子ブタ』という
童話がありますね。

それぞれのブタが
藁の家、木の家、レンガの家を
建てるというお話。

オチはご存知の通り
丈夫なレンガの家だけは
オオカミに壊されずに済んだ…
という内容で

木造がレンガより弱い
というのは日本の建築従事者は
納得いかないと思いますけど
これもお国柄ですかね。

三匹の子ブタはイギリスの童話。
モロッコもですが
あまり地震がこないとされている地域です。

レンガは圧縮力には強いですが
引っ張りには弱く
鉄筋が入っていなければ
耐震性はどうしても低くなります。

(今回の地震の写真を見ると
鉄筋が入っているものも
倒壊しているようです)

やはり、国や建築事業者が
どこまで地震に対して意識を
持っているかの違いでしょうか。

海外の地震報道では
地震の規模を示すマグニチュードは
報じられますが、震度は報じられません。

「震度」は日本独自の基準だからです。
そもそも震度計とかが
設置されていないんですよね。

さて、この「震度」
改めて気になっていることがあります。

「震度7に耐える」「震度7で倒壊しない」
というようなキャッチコピーを
よく見かけます。

僕も使ったことがあるような
気もします。

でも、この表現で
本当にいいのかな?。

この表は気象庁の
「計測震度の算出方法」
から

震度計からの値を処理して
計測震度を算出します。

例えば計測震度が
6.0以上、6.5未満なら
「震度6」

計測震度6.5以上なら
「震度7」。

震度7だけは
上限がないんです。

計測震度6.5でも震度7だし
仮に震度9相当の揺れがあっても
震度は7のまま。

『バイオレンスジャック』とか
『ドラゴンヘッド』みたいに
地形が変わるような大地震でも
「震度7」。

震度7は青天井なので
「震度7に耐える」は
言い切れないんじゃないかしら…

じゃあどうやって表現するか。

「建築基準法の1.5倍」という言い方が
通じるお客様とそうでないお客様が
いるでしょうしね。

曖昧な表現になりますが
「東日本大震災級の地震にも耐える」
にしておくとか?

ハウスメーカーの耐震性能の説明を見ると
震度7という言葉が登場しながらも
耐震性能自体には、あくまで耐震等級3としか
うたっていないケースが多いようです。

(法務部門などが慎重に
チェックするんでしょうね。)

もちろん、今後大地震が頻発すれば
震度8が新設されるかもしれません。
(されないことを切に望む)

国内でも未だに耐震性能への意識は
地域差がかなり大きいです。

でも、モロッコのように
地震に備えていない建物があっても
大地震は襲ってくるわけです。

とにかく
耐震性能は当たり前にして
その他の要素で競いあって

欲しいなあ。