なんで古い建築に惹かれるんだろう?


浜松市から天龍川を挟んで東側に
磐田市があります。

このところ、度々磐田に用事があって
せっかくなので磐田の建築紀行を。

「旧赤松家記念館」


大きなクスノキが目印です。

海軍中将で
近代日本の造船技術の先駆者
赤松則良の邸宅跡です。

本宅は残念ながら残っていませんが
門や塀、土蔵や書庫、庭園と
記念館で文化財などを見ることができます。

残っている門などは
明治20年代の建造です。

明治20年代というと
おおよそ130年前。

赤松則良は幕臣・華族・海軍軍人
そして貴族院議員で従二位勲一等男爵という
経歴の持ち主です。

そうした要職を歴任したあと
移住してきたのが磐田のこの地です。

家系図なんかもありますが
娘さんが森鴎外に嫁いでいたり
西周の名前もあったり

孫の照彦が初代磐田市長で
そんなこともあってか
この施設は市の管理で
誰でも見ることができます。

外から見れば
レンガが目立つ建物に
三和土塀があったり

木造の書庫があったり

色々楽しめます。

門の左右は
門番がいる門衛所と
来客のお供が待機する供待ともまち

どちらも中が見られます。

暑い日でしたけど
日差しが遮られて風が通るから
なかなか快適です。
門番もお供もこれなら安心?

庭には貯蔵庫があったり。
元々漬物などを貯蔵していたけれど
昭和以降は薪なども置いていたとか。

いいなあ、こういう秘密基地的貯蔵庫。

書庫では、現代のガラスと
大正時代のガラスがはめられた建具があり
その違いが見られたりします。

回転式雨戸もあって
開け閉めさせてもらいました。

建物の復元前は
アルミサッシがついていたそうですが
回転金具の痕跡があり復元したそうです。

戸袋のある雨戸自体、絶滅危惧種ですが
回転式雨戸って戸袋を隅に収めつつ
大きく展開できていいよなあ。

記念館には立派な屏風絵や
徳川家から送られた書だとか
色々と見どころいっぱいですが

やっぱり建築そのものが
一番の見どころですね。

母屋がないのは残念ですが
それでも十分に楽しめる場所です。


往年の母屋は流石のデカさ…


現在の配置はこんな感じです。

母屋が残っていないので生活そのものに
思いを馳せるのは難しいですが
(残っていても、生活レベルが違いすぎてわかんないかな)

材料や知恵・工夫にとても惹かれます。

いつも同じ温度・湿度であることが「快適」
というのなら、現代の住宅の方が
確実に快適でしょうけど


心地よい、という感覚は
それだけじゃないんだなあ…

お近くにお越しの際は
声かけてくれたら案内しますよ。

磐田市観光協会 / 旧赤松家記念館
磐田市はジュビロ磐田のホームタウンです。文化の香り漂う観光スポットや四季折々の豊かな自然も沢山あります。観るだけではなく体験して磐田を感じて下さい。

(僕の案内じゃなくても、記念館のスタッフが
とても親切に案内してくれます)