家は消耗品なのか?

住まいの消耗品ってなんだろう? 障子? カーテン? 各種フィルター? 住設機器? いえいえ、どうやら、住まいそのもの、みたいですよ…


先日、もう20年乗っている
愛用スクーターの
タイヤを交換いたしました。

↑典型的な通勤減り。
よくこんなんで乗ってたな〜

↑これがピカピカのタイヤに!

道路に吸い付くように走って
楽しい!

新しいバイクを買ったみたいな
気持ちになって浮かれています。

昔はオートバイに情熱を
注いでいて
タイヤもしょっちゅう
交換していましたが

最近はただの移動手段で
タイヤなんかついてりゃいいだろ
ぐらいの感じになっておりました。

250ccのオートバイには車検もないので
自分で気をつけないといけません。

でも、古い乗り物でも
手を入れてあげると気持ちよく使えるって
いいですよね〜。

家にも、自動車の車検のような
制度はありません。

あるのは建築事業者が
独自に定めた点検だけです。

項目を詳細に定めている
会社もあれば

顔を出して「どうっすか?」
と聞くスタイルもあり

お施主さんが言ってくるまでは
何にもしないというところもあります。

とはいえ、それらの点検は
あくまで点検であって

その範疇では
バイクのタイヤ交換のような
劇的な変化は起こりません。
(起こるようだとむしろヤバい)

タイヤは消耗品ですが
家の中に、そういう劇的な変化を
生み出す消耗品ってありませんよね。

↓こちらは
スチュアート・ブランドが
『How Buildings Learn』で
示したもの

建築には6つのSの層があって
それらの耐久性は異なることを
あらわしています。

線の太さが長持ちの
尺度になっていて

時間的尺度が長い順に

(1)敷地(SITE)
(2)構造(STRUCTURE)
(3)外装(SKIN)
(4)設備(SERVICES)
(5)空間設計(SPACE PLAN)
(6)家具調度(STUFF)

仮に6のSTUFF 家具調度
が消耗品だとすると

障子紙、襖、畳
カーテンなんかは確かに
交換すれば気持ちいいし

確かにこれらの良し悪しで
空間が変わるといえば変わる

それはそれで楽しいことです。

違う見方をすると

この6つの線が太いところ
(特に、土地と構造)は
後からやりかえることが困難なので
慎重に選ばなければならない。

土地選びと構造は
本当に大事ですね

と言いたいところだけど

日本の住宅の
平均滅失年数は30年程度。

これじゃあ家自体が消耗品
と言ってもいいのでは?

30年で土台がダメになるような
家も確かにあるけれど

物理的には大丈夫でも
イヤになって建て替えられる
ケースがとても多い。

6つのSでいうと

(3)外装(SKIN)
(4)設備(SERVICES)
(5)空間設計(SPACE PLAN)
(6)家具調度(STUFF)

が気に入らないからと
家ごと建て替えてしまう
そんなケースも多いでしょう。

家も消耗品扱いで
リピーターがどんどん出てくれた方が
工務店としては
ありがたいかもしれませんが

作った家が
まだ使えるにも関わらず
取り壊されてしまうというのは
やっぱり悲しいものですよね。

消耗するところと
そうでないところを
きちんとお客さんに伝える

それはwebサイトに書くとか
そんなだけでは伝わらないので

やっぱりちゃんと点検
(というか訪問)をこなしていって
その中で伝えていくしか
ないんじゃないかな〜