昨日は北海道・帯広で気温が40℃という予報
実際にはそこまで上がりませんでしたが
帯広は38.8℃、北見で39℃と
ほんとに北海道かよ、という気温
(北見の観測史上1位だそうですが
これが当たり前になっちゃうのかな~?)
北海道で40℃だ
住宅の暑さ対策が必要だ! と
みなさんここぞとばかりに
吠えそうな気がしますが
北見のAMeDASを見てみたら
10分毎で14:30が最高の38.7℃
(最高ここにないですが14:31の39.0℃)
これはさぞ暑かろう、と思うものの
14:30の湿度(相対湿度)を見てみると…
23%!
7月の浜松じゃ
見たことのないような値だなあ~
絶対湿度を求めてみると
11.7g/㎥
一般に冷房時の快適な絶対湿度は
10~13g/㎥と言われます。
気温が25℃で絶対湿度が11.7g/㎥だったら
相対湿度は約51%
25℃、51%って
まさに快適と言われる値なわけですが
空気中の水分量だけでみたら
昨日の北見もそんな感じ。
気温は高いけどカラッとしていて
気持ちよかったんじゃないかな、実は?
それでもまあ、39℃ってのは
見た目からして暑いよなあ〜
北海道では冷房がない建物も多く
40℃報道で騒ぎも起きていたけれど
空気温だけですべてのことはわからない
特に冷房と温度・湿度の関係って
なかなかむずかしいんですよね~
断熱性能が低い(というか日射熱が入る)家で
冷房をガンガンしていても
あんまり温度が下がらない
いわゆる「エアコンが効かない」状態ですが
実はこのときガンガン動いているエアコンでは
猛烈に除湿(結露)が行われています。
本来は結露したときに温度も下がるんですが
外から熱が供給されてくるので
あんまり温度は下がらずに
でもエアコンの冷凍機は結露して
つまり空気中の水蒸気が液体になる
→湿度がさがる
(気密がクッソ低ければまた別かもですが)
こうして温度があんまり下がらないけど
湿度は下がる、ということが起こります。
ただ、一般家庭には湿度計がないことも多く
エアコンが効かない!(空気温度上は)って
なるわけですね~
断熱性能が低い家とか
日射があちこちから入る家なんかは
このタイプです。
既存の家のほとんどはこっちですね。
逆に、断熱性能が高くて日射も入ってこないと
温度がさっさと下がってしまいます。
そうするとエアコンはあまり働かなくなり
たっぷり結露水を発生させられない
→あんまり湿度が下がらない
ということになります。
(いわゆる高性能住宅だと
外部の湿気の流入自体も少ないですが)
前者のほうが社会的には課題だろうけど
今建てている家の問題としては後者のほうが
気になりますよね、工務店のみなさんとしては。
エアコンの風量を下げるとか
再熱除湿を使うとか
(冷房しながら暖房するというアレ)
全熱交換器をつかうとか
対策とされていることはいろいろあるんですが
まあ、エアコンに思いっきり
働いてもらう主義ならいいんですが
ほしいのはエアコンの効率じゃなくて
住まい手の実感だと思うので
あんまり空気の温度や湿度だけにとらわれず
窓を開けたら風が吹いて気持ちいいし
(とくに今回の北見みたいなケースならそうだし
湿度と通風は人によって感じ方が違うから
通風が有意なこともある)
建材が多少なりとも調湿してくれるものなら
数値以上の体感効果があるし
締め切って換気設備とエアコンに
すべて委ねたほうが
頭も身体も使わなくて楽ちんだけど
ちょっとは自分で工夫してみろよ!
って住まい手さんにも伝えていいんじゃないかな~
とか思っちゃうのでありました。
家に過度な期待をさせてはいけない。
住まい手が手を加えてよりよくなるのだ。
まあ、綺麗事ではありますが
綺麗事でしか差がつけられない
とも思うのであります。