土地の名前に歴史と文化を見る


地域の一隅を照らす工務店を
応援したい佐塚です。

大型連休終了で
今日から通常稼働です。

連休中、僕の住む浜松では
松本潤さんらによる
「家康公騎馬武者行列」があり
68万人もの人が訪れたそうです。

今更いうまでもないですが
徳川家康は浜松に深い縁があり
市の公式ゆるキャラも「出世大名家康くん」です。

そんなわけで、浜松には
徳川家康にちなんだ地名等が
いくつかあります。

大河ドラマよりずっと以前から
「家康の散歩道」なる史跡も
紹介されています。

上の散歩道リストにはありませんが
「小豆餅」
なる地名があります。

徳川家康が三方原の戦いで
武田信玄に敗れて敗走中に
茶店で小豆餅を食べた。

そういう
由来でつけられた地名です。

逃げている時に小豆餅、食うかなあ。

僕が浜松に引っ越して最初に
暮らしたのが、実はこの小豆餅。

友人に住所を言ったら
大笑いされました。
まあ珍しい地名だよね。

「銭取」
小豆餅と繋がりがある場所です。

家康が小豆餅を食っている
時に武田軍の追撃を受けて
逃げ出した。小豆餅は食い逃げ。

茶店のおばあちゃんは
食い逃げ犯の家康一行を追いかけ
捕まえて金を回収したのが銭取。

って、おばあちゃん
武田の騎馬隊よりも
速いんかい?

(小豆餅は住居表示にも使われていますが
銭取は今はバス停などに残るだけです)

さらに銭取から少し南下すると
「犀ヶ崖」というところがあります。

今でもそこそこ高低差がある場所ですが
当時は字の如く、崖になっていました。

徳川軍が武田軍に逆襲し、その際に
この崖に武田軍を追い落とした
という古戦場跡です。

住居表示には残っていない地名ですが
「崖」というのはなかなか強烈ですね。

かつて、地名というのはその土地の
歴史や形態を表すものでした。

「〇〇谷」とか「〇〇沢」なんていう
地名のところは谷筋であったり。

水が多く出るようなだったりしたから
そういう名前がついているんですね。

ところが、宅地開発の際に
そういう名前を葬り去って
しまうことが度々あります。

売れそうなオシャレっぽい
名前に変えちゃうんですね。

昔から使われてきた地名には
そこがどんな土地かを
判別する知恵があったのに。

売るほうはおしゃれで
災害を想起しないような名前にして
さっさと売り抜きたいんだろう。

でも地名はただの記号ではなくて
重要な文化伝承の手段でもあるので
安易に変えないでいただきたい。

工務店としては
お客様が土地を持ってきたら
建てないとは言い難いでしょう。

でも、一緒に土地を探すのであれば
そういう背景も頭に入れておいてほしい。

この前紹介した国土地理院サイトなんかも
参考にしてくださいね。

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以上!