梅がいい感じに熟したので
梅干しをつけました。
塩たっぷりだから容器の
消毒なんかいたしません。
梅のことを色々語るのを
自らdisっておきながら…
(どんだけ梅好きなんだ)
せっかくなので梅干しを
通じて普段考えていた
問題点(?)について触れてみます。
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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。
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梅干しとはなんなのか。
『大辞泉』によれば
1 青梅を塩漬けにし、赤ジソの葉を加えて色づけし、日に干してから漬け液に戻した保存食品。酸味が強く、古くから食品の防腐用などに重用。うめぼしづけ。
2 土用の日、塩漬けした青梅を日に干すこと。《季 夏》「—にすでに日蔭や一むしろ/碧梧桐」
とあります。
塩漬けした段階では
梅干しじゃないですね。
干してはじめて梅干し。
JAS(日本農林規格)にも
梅干し関係の定義があります。
「調味梅干し」「調味梅漬け」
「梅漬け」「梅干し」がそのあたり。
「梅干し」は
梅漬けを干したものをいう。
「梅漬け」は
農産物塩漬け類のうち、梅の果実を漬けたもの又はこれを梅酢若しくは梅酢に塩水を加えたものに漬けたもの(しその葉で巻いたものを含む。)をいう。
梅を塩漬けにするか
梅酢(梅を塩に漬けると出る液体)
に漬ければ梅漬け。
梅漬けを干せば梅干し。
「調味梅漬け・梅干し」は
塩と梅酢以外のものを使ったもの。
販売されている梅干し類は
この四つのどれかに分類されています。
(別途、有機JAS認定も
ありますが)
さて、建築用の製材にも
JASが定められています。
います、が…
住宅で使っている工務店は
多くありませんね。
(集成材は除く)
優等生的なオハナシなら
ここで製材JASの
素晴らしさを説くのでしょう。
JAS材が普及しないのは
工務店からすれば
価格に見合わないこと
(小規模の)製材側から見れば
認証のコスト負担が
大きいこと
などが言われています。
でも、もうちょっと
現場的発想をすると
違う理由もあるのでは。
無等級材なら一定価格で
売れたものが
機械等級にかけたら
高く売れるものと
そうでないものが出てしまう。
コストをかけて認証し
等級区分をした結果が
値段の優劣だとしたら
そりゃ、やりたくないよな
と思います。
無等級材でも構造計算は
できるので
結果としてJAS材は使われない。
補助金をつけて
JAS材普及をはかっても
補助金がなくなれば元通りでしょう。
JAS材を普及させる!ということ
ばかりに目を奪われるよりも
「無等級材で構造計算するときに
告示で定義されている強度を
本当に持っているか」
現実に照らすと
一番肝心なのは
そこではないでしょうか。
無等級材は
品質管理されていないから
ダメだという話も聞きます。
材料を全く吟味せずに
ただ納品された材を使う場合は
その批判も当たるかもしれません。
よくないものが能材されたら
「こんなもん使えるか!」と
叩き返すことだって時には必要。
昨日から和歌山の
和秋建設さんを訪問しています。
前田社長が早速ブログに
書いてくださっています。
(褒めすぎじゃない? それにしても笑顔のできない二人だ…)
こちらは加工場に入っていた材。
無等級材です。
見事な自然乾燥の紀州材です。
とは言え、多分、過去には
叩き返したことも
あるんじゃないでしょうか。
(褒めてます)
そうやってお互い
切磋琢磨しながら
いい材を産んでいく。
製造側での品質管理も
大事ですが
そこだけに委ねず
木材の目利きにどれだけ
自信を持っているか。
木造住宅で飯を食うなら
絶対に必要な要素のはずです。
自信を持って言えますか?