低エクセルギーについて学ぶ「LEXS研究会」

東京都市大学名誉教授の宿谷昌則さんと学ぶ「LEXS研究会」という勉強会があります。
少し足が遠のいてしまっていたのですが、久しぶりに参加させていただいて、あらためて、「ものの理り」を学ぶことの大切さと面白さを感じました。


東京都市大学名誉教授の
宿谷昌則さんと学ぶ
「LEXS研究会」という勉強会があります。

少し足が遠のいてしまっていたのですが
久しぶりに参加させていただいて
あらためて、「ものの理り」を学ぶことの
大切さと面白さを感じました。

LEXSとは
Low EXergy System
低エクセルギーシステムのこと。

エクセルギーのことを
簡単に説明するのは難しいですが
誤解を恐れずざっくり
説明してみましょう。

よく「エネルギー消費」という
言葉を耳にします。

住宅も一時エネルギー消費性能を
評価されたりします。

でも、エネルギーは
消費されるものじゃありません。

「エネルギー保存の法則」って
聞いたことありますよね。

エネルギーは形態が変わるだけで
総量は変化しない

という決まりです。

高いところでモノを話すと
止まっていたものが動いて落ちる。

というような例を
中学生ぐらいで習ったような…

位置エネルギー(高いところ)は
運動エネルギー(移動)に
変化しただけでエネルギーの総量は
変わらない。

住宅での「エネルギー消費」では
電気を使って熱を作ることが多いですが
こちらも同様で

例えば原子力発電で作られた電気は

核エネルギーを原子炉で
熱エネルギーに変え
その熱で水を沸かして蒸気を作り

蒸気の力でタービンを回し
(運動エネルギーに変換)

タービンで運動エネルギーが
電気エネルギーに変換されます。


中部電力webサイトより

この間もエネルギーは形を変えるだけで
消費はされていません。

100%変換されるわけでなく
熱エネルギーになって拡散してしまう
部分がありますが

これらも含めて形態が変わるだけで
あくまでもエネルギーは
「消費」はされていないのです。

じゃあ、例えば
エアコンをつけて
涼しい、とか、あったかいとか
照明をつけたら明るいとか

そういう時に使われている
チカラとはなんなんだろう?

それが「エクセルギー」という
概念です。

少ないエクセルギーで
快適な住まい・建築は
どうやったらつくれるのか?

そんなことを
宿谷先生を中心に
みんなで学んでいます。

当初は宿谷さんと
取りまとめをしてくださっている
ライフフィールド研究所の真鍋弘さん
札幌市立大学教授の齊藤雅也さん
(今回は欠席)らと

対面式で行っていた勉強会ですが
コロナ禍にオンラインに移行して
参加者の幅も広がり
おおよそ月に1回勉強会を開いています。

久しぶりで、職場もかわっちゃってますが
快く受け入れていただきまして
ありがとうございます。

工務店の方は
この手の勉強が大好きな人と
まるで関心がない人がいます。

前者が極まると
とにかく数値を追い求めがち

後者の人は
能書はいいので具体的なことを教えて
というようなことを言いがち

というのは極端な例かもですが
そのどっちにも振れすぎずに

「熱力学を学ぶ」のではなくて
「自分が作っている家で
何が起こっているのか」
を学ぶのは

より良い家を作っていく上で
とても大事なことじゃなかろうか。

久しぶりに参加した今回は
人体がいかに発熱する存在であるか
(重量あたりで言えば太陽より熱い)

その熱(温エクセルギー)を
うまく排出するために
どういう生理現象が起こっているのか

そんなことも学びました。

室温を〇〇℃にする!
というのも大事なことなんですが

そこにいる人と
建築の間で
どういうやりとりがあるのか
(温・冷エクセルギーの行き来)

そういうことを理解していくと
人と建築の呼応を考える、という
建築の持っている面白さが
グッと増すんじゃないかな〜

ほぼ幽霊部員の僕が
偉そうにいうのもなんですが

LEXS研究会にちょっとでも
興味を持ってくれたら紹介します。
ぜひご相談くださいね。