『教養としての建築入門』で再入門してみる

今更「建築入門」と言われても…とお思いかもしれませんが「見方」「作り方」「活かし方」この三つから解いていく本。
自分たちの仕事を、どう見られるか、どう作るか、どう活かせるか。
そんなことのヒントに再入門してみては?


今更「建築入門」と言われても…
とお思いかもしれませんが

「見方」「作り方」「活かし方」
この三つから解いていく本。

自分たちの仕事を
どう見られるか
どう作るか
どう活かせるか

そんなことのヒントに
再入門してみては?

『教養としての建築入門 見方、作り方、活かし方 』

著者は建築家の坂牛卓さん。
お会いしたことはありませんが

お世話になった富士吉田の工務店
滝口建築さんが、一緒になって
まちの再生に継続的に取り組んでいます。

滝口建築 - 滝口建築
滝口建築

坂牛さんとの仕事は、同社のページにも
掲載されているほか
新建築やarchitecturephotoにも
紹介されています。

東京理科大学坂牛研究室による、山梨県富士吉田市の、製氷工場を事務所・保育所等にコンヴァージョンした「旧富士製氷工場」
all photos©川崎璃乃 東京理科大学坂牛研究室による、山梨県富士吉田市の、製氷工場を事務所・

↑こちらは以前お邪魔したことがあります。

さて、本書の位置付けとは
「一般向けの本」
専門書ではありません。

三つの章からなり

見方=美学的な知見
作り方=工学的であり哲学的でもある
活かし方=社会学的

そんな風に分けつつ
その三つの領域はどれも
同じぐらい大切

そう説いています。

昨今、往年の名建築が
老朽化というだけで
解体されていっていますが

これは活かし方が
なっていないということ。

見る、活かすがあって
作る、の方向づけが
生まれるはずです。

ウチはそういうのはやりません
これがウチのスタイルです

というのは一見、芯が通った
スタイルだけど

それが見た人、活かす社会に
合わなくなっているようなら

その要素を取り込むのか否か
そこで悩んで、その結果に
新しい核ができる。

意識的にそういうことを行わないと
いつの間にか唯我独尊に
なっちゃっているかもしれませんね。

ここ最近の新築需要の低迷も
作り方だけの問題ではなく

見方、活かし方に解決の糸口を
見つけていけるかな?

入門書ということだけど
「建築って何のことですの?」
という人にはハードルが高いかもしれません。

「あら〜建築って何の事ですの?」
僕は通常はお土産なるものを買いません。お土産選びのセンスがないので通り一遍のものだとつまんないしじゃあなくていいや…と。そんな僕でも強力なお土産ブランドを知っています。これ。虎屋の羊羹(の袋)。この袋を持ってきた客は崇め奉られるという伝説の...

僕は料理人なので(あれ、違ったかな…?)
「料理と建築」というアナロジー(類推)を
大変美味しく読ませていただきました。

ウー・ウェンさんや有元葉子さんといった
料理家のお話も出てくるのです。

素材を大事にした料理では
単素材の方が味が堪能できる。

では建築ではそれはどういうこと?

そんな風に楽しんで、入門(再入門)
してみてください。