建築と料理のアナロジーのはずが魯山人に説教される

日曜日は料理デーでなので
このブログも料理ネタになりがち。

料理繋がりで昨日紹介した
『教養としての建築入門』
にあった料理と建築のアナロジーを
もうちょっとだけ追ってみます。

今日の朝飯は
浜松の加茂さんの
ミルキークイーン3分搗き

精米してできた糠で
糠漬けを作ります。

温玉と汲み出し豆腐を添えて
出来上がり。

キュウリとかこの時期に
食うかな〜とか器とか
色々ツッコミどころは置いといて

ほとんど材料そのままの
食べ物で
料理と言えるかどうか?

でも、これでいいのだ!

昨日取り上げた『教養としての建築入門』に
ウー・ウェンさんとか有元葉子さんの
ことが取り上げられていました。

『教養としての建築入門』で再入門してみる
今更「建築入門」と言われても…とお思いかもしれませんが「見方」「作り方」「活かし方」この三つから解いていく本。 自分たちの仕事を、どう見られるか、どう作るか、どう活かせるか。 そんなことのヒントに再入門してみては?

どちらも一つの素材を用いた
料理を教えてくれる料理家です。

料理も建築も
素材を形にする作業です。

料理は味覚だけに訴えるのではなく
視覚、嗅覚、触覚
そして温かい・冷たいということも
大きく影響します。

建築も視覚だけで味わうものではなく
触覚、時に嗅覚、そして温熱感。
(味覚はあんまり出ないと思うが)

ただ、料理の単素材は
純粋にホッとする感じがあるけれど

建築の単素材は
(本書では安藤忠雄さんが
コンクリートを堪能する
典型例として紹介)

どうなんだろうな〜。

料理の方は、複数を混ぜて
おいしくするのは実は難しいけれど
(つまり材料に頼りまくっている)
建築はそうでもないような。

むしろ単素材で満足させるのは
建築家の腕が
相当に必要になりますよね。

レシピと設計図(と表記されている)
としてのアナロジーも紹介されています。

設計図がなくても間取りがわかれば
それなりに家ができる。
料理もレシピがなくてもできる。

ただし違うのは
設計図はプロ向けで完成形が描かれているが
レシピはアマ向けでプロセスが書かれている、ということ

プロだから完成形があれば
わかるだろ? というのが
建築でのレシピ(設計図)

ということだけど

実際には建築家の仕事をやる
工務店は
「これどうやってやるんだよ?」
ということに悩むことも多く

なるほどその背景には
こういう発想があったのね
と何となく納得…

さて、料理つながりで
もう一題
『料理の第一歩』
北大路魯山人の文です。

ある男が色々なことを
考えつくけれど考えるだけで
何もしないでいたら…

という前振りで始まるお話。

時折、これを自戒を込めて
読んでいます。

考えることも大切だ。聞くことも大切だ。実行することはもっと大切なことだとわたしは思う。
おいしく料理をつくりたいと思う心と、おいしい料理をつくるということは、似ているが同じではない。

思う心と結果は同じではない。
ふむふむ。

わたしたちは、したいと思っても、しようと思うのはなかなかだ。しようと思っても仕上げるまでには時を必要とする。

そうそう。

だが、したいと思っている心を、しようと決心するには一秒とかからない。まず希望を持っていただきたい。やってみたいという希望を持ったら、やりとげようと決心していただきたい。決心したならば、すみやかに始めていただきたい。

うっ…
まったくでございます。

料理とあらゆることのアナロジーで
建築に限った話ではないですけれど

青空文庫にもあるので
ぜひ読んでください。

北大路魯山人 料理の第一歩