センサーの値と人間の感覚の両方を大事にしたい

熱も湿気もにおいも
空気に乗って動きます。

しかしこの「におい」というやつは
意外と一筋縄でいかないのでは?

ということを臭気センサーと
自分の実感からつづってみました。

以前に作った
ワンボードマイコン
ラズベリーパイによる臭気センサー。

一定感覚でGoogleスプレッドシートに
値を記録し、その値が閾値を超えたら
LINEに通知するというもの。

家の臭さをLINEでお知らせするシステムを作ってみた
住まいの温湿度は重要視されているけれど、快適さに大きく関わる空気質と臭いはあんまり重視されていません。 シングルボードコンピュータ・ラズベリーパイと臭気センサーを組み合わせて「家の臭さ」の警告をする、そんな仕組みを作ってみました。

本体はこれ

Raspberry Pi Zero 2 W
512 MBのRAMと、1 GHz駆動の64 bit Arm Cortex-A53 クアッドコア BCM2710A1ダイを中心としたRaspberry Pi RP3A0 SiPを搭載した、Raspberry Pi Zeroファミリーの最新製...

臭気センサーはこっち

・様々な気体を検知する臭気センサTP-401Aを搭載
・様々な気体を検知する臭気センサTP-401Aを搭載

ただ、このセンサーでとれる「値」が曲者です。

臭え〜と感じても
数値はそこまで
行っていないこともあるし

別に臭くないと思っていても
突然、LINEに警告が来たりします。

なんなんだろ?

先週土曜日の朝8時から夜8時まで
12時間分をグラフにしてみました。
(計測感覚は約10秒)

(値はセンサーの電圧変動で
臭いを表す単位ではありません)

センサーの設置位置は
トイレ(換気扇なし)

奥の方に緑のランプが光っているやつです。

さて、トイレにあるだけに
グラフ臭気変動は用を足した時のもの…
とお思いでしょうが

実は大きな変動のほとんどは
料理によるものです。

特にグラフの左半分
12時過ぎから最大値を
記録しているあたりは

チキンカツを大量に
揚げていました。

10時から12時の間の
大きな変動は同じく料理と
トイレの窓を
開けたり閉めたりです。

キッチンにはレンジフードがあり
常時動かしていましたが

レンジフードから臭気が全部
排出されているわけでは
無いということですね。

午後に時々値が上がり
急に下がるのは
ウンコをしたからです。

料理に比べると
一瞬突出していますが
すぐに収まっていますね。

ウンコのほうが臭いをはっする
力は強そうな気がしますが

わずかな時間で流されていくので
全体に与える影響は大きくありません。

実際には3種換気であればトイレの換気扇が
24時間換気の排気口になっている
場合も多いでしょうから

一般的にはトイレに臭いがこもる
ということは少ないはずです。

と、グラフからはそう読めるのですが
実際にトイレに行って

臭え〜

と感じるのは午後の突出した
部分なんですよね。

臭さの値としては揚げ物のほうが
値が大きいにも関わらず。

結局のところ
人の感覚には「慣れ」
がありますから

良くない状況でも
ある程度の時間がつづくと
慣れて感じにくくなるんでしょう。

他人の家のにおいが
その家の人には認識されていない
アレみたいなものです。

もちろん、このセンサーが反応するガスが
人間(僕)が感じにくいものも
あるかもしれないので

単に慣れだけの問題では
ないかもしれませんが

計測値は実際の体感と
照らし合わせないと
「ただの計測」になってしまうな〜
と実感した次第。

それから、このグラフにはありませんが
臭気センサーの設置高さによって
値も大きく異なりました。

床置きと、高い位置に置いた場合では
値が大きく異なったのです。
(高いところのほうが、値も高い)

よく、吸気は低い位置から
排気は高い位置から
なんて言われます。むべなるかな。

給気口はデザイン上
あまり見せたくないためか
おかしな場所に付いているケースも
見受けますが

ほんとうにきちんと機械換気をしたいなら
給排気はファンの能力だけでなく
配置場所もかなり重要ということですね。

給排気はファンの能力や
熱交換などばかり注目されますが

空気の流れをデザインする
という意味では、設備ではなく
意匠の範疇じゃないでしょうか?

どうですか? 換気経路のことって
まじめに考えたことありますか?