やるべきことと、やってはいけないことはどっちが大事?

やってほしいことと、やってはいけないこと。どちらも大事なことだけど、やらないことを決めておくほうが、組織の性質が際立つのでは。


日航機と海上保安庁機の衝突事故
なんとも痛ましいことが
起きてしまいました。

犯人探し、というと言葉は悪いけど
原因を特定して再発を防止することが
重要ですね。

今日の時点での報道を見ると

  • 海保機が離陸順1番目という情報を
    離陸許可と勘違いした?
  • 着陸機が接近する滑走路監視アラートを
    管制官が見落としていた?

などの情報が出ています。

勘違いがなければアラートが出るような
行動もなかったはずなので

まずはコミュニケーション不全が
問題の発端なのかもしれません。

私事でスケールの小さな話ですが
バスを運行するイベントの
運営をしていた時のお話です。

バスの到着が予定より遅れていて
参加者の皆さんには
ホテルのロビーで待ってもらっていました。

まだもう少しかかりそう
ということだったので
その旨を伝えようとして

「バスの到着までもう少しかかります
今しばらくお待ちください」

とお伝えした、のですが。

まだかまだかと待っている人には

バス到着までもう少しかかります」

冒頭に出てきた
バス、到着、という単語
これだけに反応して

みんながワラワラと
移動を始めてしまった

この時の経験から

人は都合のいい情報(単語)だけ抽出する
最初に言ったことしか聞いていない

ということが骨身に染みて
結論から先に言うようにしています。

結論から先に言わないときは
煙にまきたい時かな…

もう一つ、指示を伝えるときに

やって欲しいこと

を伝えるか

やってはいけないこと

を伝えるか。

はじめてやることか、いつものことなのか
コトの性質次第なので
どちらが優れている
と言うわけではありません。

航空管制のことは
詳しく知りませんし
報道が全部を伝えているかも
わかりませんが

離陸順が1番目で
停止位置まで進んでください

と言う指示は
「やっていいこと」

もし、やってはダメなことで
伝えるなら

着陸機があるため滑走路への侵入は禁止
指定位置で待機

ということになるでしょうか。

翻って日々の仕事の中で
あれをしなさい、これをしなさい
と「具体的な指示」ばかりをすると

指示されたことしかできない
人間が出来上がってしまう
かもしれません。

これはやってはいけない
なぜならこういうことだから

そういう伝え方のほうが
モノの品質は上がるのではないか

なんて、航空事故とは違う視点の
話になってしまいましたが

このやってはいけないこと
(ネガティブリスト)方式は
世界の軍隊に採用されています。

一方、自衛隊は
やるべきことこと
(ポジティブリスト)方式。

日本の自衛隊は災害救助などに
大いに活躍していますが

軍事的な有事になると
このポジティブリスト方式が
足枷になるとも言われています。
(許可なく戦闘ができない等)

小さな会社の仕事は
その会社にとっていつも
有事のようなものだから

やるべきこと、よりも
やってはいけないことだけ
定めておくほうが

自由がありつつも
守るべきことは守れる。
スピードもその方が上がるはず。

そんな視点で
ネガティブリストを作ってみては?