餃子の消費とブランドと

餃子の消費量、浜松が日本一、という報道に、めんどくさくからんでみます。


今日は昨日の続きで
商標登録の手続きや注意点を
と思っていたら

昨日の新聞にこんなニュースが。

スポーツ新聞のような
ダジャレ見出しはともかくとして…
浜松が餃子の消費日本一に返り咲いたとか。

浜松市民のワタクシ、餃子好きでございます。
餃子と聞くと黙っていられません。

この、「餃子日本一」なる統計
総務省家計調査の
県庁所在地と政令指定都市が対象です。

浜松市が政令指定都市になったのは
2007年。それまではランキングの
対象にもなっていなかったのです。

となれば、調査対象になっていない
どこかの市町村で

浜松や宇都宮以上に
猛烈に餃子を食べているところが
あるかもしれません。

例えば静岡県裾野市とか。

日本一ギョーザが好きな町裾野市 |
日本一ギョーザ好きが集まるまち、裾野市を紹介しています

そして、この家計調査の対象は
「持ち帰り餃子か生餃子」だけ。

外食や、冷凍餃子は含まれません。
「浜松餃子」と看板を出しているお店で
食べたり

東京オリンピックで選手村で人気があった
味の素の冷凍餃子のようなものは
全部含まれないのです。

↑左は浜松市民なら知っている
マルマツの包みぎょうざ。
右は家計調査対象外の
味の素の冷凍餃子。

実際には、外食も入れたら浜松は
宇都宮に遠く及ばないのが事実…
とか書くと浜松餃子愛好家に抹殺されるかも

一面だけ切り取っている調査が
気に入らなくて、話が長くなっちゃいましたが
言いたいことは「ブランド」です。

浜松では、浜松餃子学会なる
団体が「浜松餃子」を掲げて
普及につとめています。

浜松餃子学会

ご覧いただくとわかりますが
「浜松餃子研究会」という団体とは
一切関係ない、ということを強調しています。

浜松餃子、というブランドを使って
みんな商売したいのですが
この辺で綱引き、駆け引きがあるわけですね。

かつては、「浜松」という地名と
「餃子」という一般名称の組み合わせは
商標として登録できない、とされていました。

それだからか、浜松餃子学会は
団体名を商標として登録しています。

j-platpat

しかし、「地域ブランド」と呼ばれる
これらの名称を保護するために
登録要件が緩和されています。
(地域団体商標制度)

https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/t_dantai_syouhyo.html

組合や商工会、商工会議所などが
登録し、団体の構成員に使わせる
という制度です。

そうか、それで浜松餃子も
商標登録されているんだね…
と思って見てみると

j-platpat

株式会社が登録してるじゃん!
(しかも浜松餃子学会より出願が早い)

という具合に、商標、とりわけ地域ブランドは
ややこしいのですが

身近にこういう争い(?)があって
参考になりました。

地域に根ざした工務店の皆さんは
地名+商品名などで商標登録を
目指したい、と思うかもしれませんが

そこはひとひねり加えないと
難しい
かもしれませんよ。

なお、撮影用に買ってきた餃子は
スタッフ(僕だけど)が
美味しくいただきました。

薄い鉄と厚い鉄の熱容量の違いによる
餃子の美味しさの変化の話は…

また別の機会に譲りましょう
(そんな話にニーズがあるのかな?)