建設業の男女間賃金格差はまだまだ大きい

昨日は春闘の集中解答日で
大手企業は満額どころか
満額以上の回答をしていたり

経済への好循環を、なんていう
話もあるけど

大企業の従業員よりも
中小企業の従業員の方が
ずっと数が多いわけだし

果たしてどうなることやら。

そんな折、地元企業の
「炭焼きレストランさわやか」の
創業者が亡くなりまして

本日は全店休業ということが
話題になっていました。

ご近所の「さわやか」の掲示。

スタッフ一同、故人を偲び、
ともに思いを馳せる
時間を頂戴したく存じます。

とのこと。

社会が、そして従業員が
この決断をどう捉えているか
わかりません。

売り上げ機会損失と考えるのか
報道で露出が増えてよしなのか

そして、こういうことも
従業員が会社を好きになる
会社を応援する

ということにつながるのかもしれません。

大手の春闘満額(以上の)回答や
アットホームな職場、的な
働き心地の問題など

これから、従業員確保が大変に
なっていきますね。

いよいよ来月からは
「建設業の2024年問題」が
現実になります。

人手・工期の問題というのは
すなわちカネの問題でもありますね。

身近な工務店で
労働組合があって春闘をしている
なんてところはありませんが

やはりみなさん給与の問題は
気になっているわけで。

厚生労働省が発表している
「賃金構造基本統計調査」で
建設業/総合工事業の賃金を
見てみました。

賃金構造基本統計調査|厚生労働省
賃金構造基本統計調査について紹介しています。

この調査対象になっているのは
10人以上の事業所です。

10人から99人がひとかたまり
次が100人から999人
そして1000人以上の3段階に分けられています。

10人と99人だと規模が大きく違うので
少しぼんやりした数字になるかもしれませんが

規模別の月収・ボーナス・年収の平均値は
こんな感じ(単位・万円)

全体(10人以上) 1000人以上 100~999人
10~99人
平均月収 36.49 43.33 40.69 32.52
平均ボーナス 100.94 167.5 118.03 72.5
平均年収 538.82 687.46 606.31 462.74

えーこんなに! と思ったり
えーこれっぽっち! と思ったり
いろいろあるかもしれませんが
どんなもんでしょう?
(上の表の平均年齢は46歳、勤続12.8年)

やっぱり大手と中小では収入に違いがある
と言いたいところですが

実は細かく見ていくと
会社規模の差もさることながら
男女差がとても大きいのです。

↓男性

全体(10人以上) 1000人以上 100~999人
10~99人
平均月収 38.6 49.66 42.47 33.93
平均ボーナス 108.43 203.01 124.09 76.13
平均年収 571.63 798.93 633.73 483.29

↓女性

全体(10人以上) 1000人以上 100~999人
10~99人
平均月収 25.75 27.12 27.3 24.39
平均ボーナス 62.91 76.52 72.27 51.53
平均年収 371.91 401.96 399.87 344.21

1000人以上の規模になると
特に男女で大きな差があることがわかります。

とはいえ、小さい規模でも
やっぱり女性の賃金は少ないですね。

これは、非正規労働者が多い
ということも一因かもしれませんが

ホントにそれだけで納得しちゃって
いいのだろうか?

これはあくまで僕の印象だけど

営業的な面でも
設計的な面でも
工務店で活躍している人は
女性がとても多い。

社長のガサツさとか
お客さんに気が回らないところを
ケアしてくれる

みたいな話だけじゃなくて

生活を大事にしていて
お客さんの素敵な生活をどう実現するか
そういうことに使命感があったり

美しい住宅を作りたいという意欲が
とても強かったり

そういう傾向があるのかな…?

もちろん、男性にもそういう人はいるし
女性でもそうでもない人もいるから
男がダメとか女はイイって話ではありません。

男だから、女だから、ということで
給与に差をつけている工務店など
もはやないとは思いますし

その人が家庭の事情で
月から土の朝から晩まで
働けなくても

望まれるなら非正規雇用ではなく
その状態に合わせた
正規雇用をして
成果に見合った報酬を払ってほしい。

以上、大切な綺麗事でした。

今回の元データは
以下統計表のうち
「D 建設業(D06~D08)」の
「D06総合工事業」のシートです。

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