書籍『超インテリアの思考』と「建築の大気圏」

ソトとウチというのは物理的には建築で仕切られますが、社会的、精神的にはそうでもない。そうなるとインテリアも社会的な重要度が増してくる…というお話。


書籍『超インテリアの思考』は
タイトルに「思考」と冠しているだけあってか
随分と考えさせられるものでした。

インテリア、という定義が
そもそも難しいですが

ここでは普通の生活者の
視点で見るなら
ある程度、改変可能な領域

建築はその基盤となる入れ物で
簡単にはいじれない専門領域

建築というのは
外部と内部を分ける装置で

それにより人の意識にも
パブリック(ソト)と
プライベート(ウチ)を
生み出す

というのは、まあ
当たり前のことに思えますが

今はそれが崩れてきている
SNSの台頭や
新型コロナを機に増えた
在宅ワーク

それに伴い「プライベート」が
「パブリック」なシーンに
出てくることが増えてきた

要するに、ソトとウチの
境界が「建築」では
なくなってきている
のでは? と

もちろん物理的には
建築がソトとウチを分けているし

工務店の主戦場は
そのソトとウチを分ける
外皮性能を持つ新築住宅だったりする

ただ、今後ずーっと続くかといえば
そうはいかないだろうという
不安を抱えながら
みなさんやっているわけです。

「超インリア」とは
単に閉じた部屋一つの装飾という
従来のインテリアではなく

都市や建築が担ってきた
人々の活動を社会空間に定位させる
そんな概念です。

都市や建築に投じられていた
社会的資本が超インテリアに
向かうだろう、と。

リノベーションが増えてきている
というのは一つのあらわれかも
しれません。

本書は建築家の山本想太郎さんに
よるもので
元になったのは

タニタハウジングウェアのweb
「雨のみち」のコラム

雨のみちデザイン|驟雨異論|山本想太郎 vol.1
「雨のみちデザイン」は、さまざまな角度から「雨のみち」について共に考え、創造していく、タニタハウジングウェアが提供する建築系ウェブマガジンです。

↑ここに記されている
「建築の大気圏」の中に
建築も、庭も、インテリアも入ってくる

インテリアの重要性が増す
という話だけれど

インテリアだけやってればいい
というわけではもちろんなくて

「建築の大気圏」を
素敵に作るのが仕事

多分に概念的な話になりましたけど
「居場所」を作るというのは
まさにそういうことですよね。

おすすめ本です。