「基準」以外の要素を盛り込んでこそ設計

今日は静岡県民の日
なんだそうです。


これ、静岡県旗↑

他の都道府県の住民は
静岡県を敬うべし…
という日では
もちろんなくて

旧静岡県と浜松県が
合併して現在の
静岡県が生まれた日

ひとつの県にはなったけれど
静岡県は東西に長く
新幹線の駅が6つもあるし


(静岡県観光サイト ハローナビしずおかから)

東部・富士川以東は
電気の周波数が50Hz
以西は60Hzと
県内で分かれているし

静岡市では
東スポが売られているのに
浜松市では
中京スポーツが売っている

うなぎの蒲焼は
静岡市は関東風が多いような
気がするけれど
浜松市は関西風が多い(美味しい)
(個人の感想です)

一つの県とはいえ
文化も気候もずいぶん違います。

省エネ区分でいくと
静岡県は5、6、7地域

僕が住む浜松市は6地域

生まれ育った静岡市は
6地域だったのが見直しで
7地域になりました。

正直なところ、6地域と7地域の
体感の違いは僕には感じ取れません。
(みんなそうですよね?)

5、6、7地域の断熱等級
等級5以上であれば
Ua値はどの地域も同じ

ηAC値の要求が
少しずつ要求が高まるけれど
実質的には同じといって
いいでしょう。

ところが、HEAT20になると
G2、G3では
5地域はハードルがあがります。

HEAT20は単に外皮性能基準を
定めるだけでなく
住宅シナリオがあって

それに沿うと5地域は
6、7地域とは純然たる違いがある
ということですね。

ただ、この地域区分
ご存知のとおり行政の線引き
静岡市、とか、浜松市という
単位で区切られています。

例えば静岡市は全体で同じ区分です。

↑ご覧の通り静岡市は
南北に長くて

南の方の駅周辺とか
沿岸部は7地域でいい
かもしれませんが
北の方はどうでしょう?

前に紹介した
任意の地点で推計した
建築設計用気象データで

ピンポイントで気象データを取得する
東海地方は5月末から梅雨入り。 台風が早くも日本接近。 そして昨日の豪雨。 NHKニュース・防災アプリから。 線状降水帯というやつですね。 全国的に大雨でしたし、東日本では 今も降り続いているようです。 みなさんおかわりございませんでしょう...

静岡駅と
そこそこ北の方(井川)との
気温の推計を比べてみました。

(気温以外に日射量や絶対湿度
風光風速なども推計できます)

これは静岡駅付近↓

こっちは北の方
(井川支所のあたり)↓

グラフのカーブは似ていますが
よく見ると横軸の数値が違っていて
だいたい5℃前後、静岡駅の方が高いです。

夏も冬も気温が5℃違ったら
ずいぶん違いますよね。

これは静岡市に限らず
一つの行政区分の中で
寒いところとそうでもないところは
たくさんあります。

それを、どちらも一律で
○地域なのでUa値は○○で
ございます!

というのでは芸がないですね〜

それはあくまで
国が作っている基準という
だけなので

例えば
北側の景色がいいので窓を開けたから
その分断熱強化した、というような

その家がどんな風になるように
考えて作りました

ということを表現するのが
設計者の役割ではなかろうか。

その目安としてUa値というものが
あることは言うまでもありませんが

優れたUa値だけど
豊かとはいえない家

結構見てきたので…
(ま、これも個人の感想ですけど)

とりあえずUa値小さくしときゃ
売れるだろう

では、豊かとはいえないな〜

とはいえ
住まい手側も

Ua値はいくつですか?

と、ただ数値を追うような
聞き方をするケースも多いので

家の設計って
それだけじゃないんだよ
と伝えてあげないといけませんね。