ダイレクトゲインが計算だけになってない?

お日様が窓からいっぱい入って暖かい…というイメージ写真はよく目にするけど、実際に窓から陽差しを入れている家ってあんまりないよね…もったいない


大阪ガスのプレスリリースで
次世代集光型太陽熱システム
という言葉が目につきました。

産業用熱需要の脱炭素化
が目的らしく
仕組みはこんな
(大阪ガスのページより)

なんか複雑だな〜

低温を高温にして使おうってんで
仕方ないんだろうけど

正直なところ別世界ですが
太陽熱でまかなえるものは
太陽熱でやる、というのはいいですね。

とはいえ、太陽熱というのは
最近の住宅ではずいぶん
ないがしろにされていると感じます。

外皮性能を上げて
パッシブデザインだ〜と
のたまっている工務店・設計者も多く

そういう割には
南の窓もすごく
ちっちゃかったりして

何がどうパッシブなのか?

(自分で頭を使っていなくて
誰かの真似してる、という点で
パッシブなのかな)

うまくプランニングすれば
ダイレクトゲイン
(直接届く日射)はとても大きくて

地域によっては
計算上は無暖房でも十分な
暖かさになる…

あくまで計算上は。

でも、そういう家でも
暖房使っていることが結構あります。

なんでかな?

先ほど、天気のいい中を
近所のスーパーマーケットまで
歩いて買い物に行ってきました。

その間に見た家は数十軒。
古い家もあれば建てたばかりの家もある。

その中で、南側の窓に
カーテンやシャッター、雨戸、障子などを
設けずに陽を取り入れている家は
1軒
しかありませんでした!

…ってか、それ、我が家だけど。

他に1軒だけ掃き出し窓カーテンが
半分だけ開いている家があっただけで
あとはみんな南は閉じている。

車のない家も多いから
お勤めに出ていたりするんだろうけど
車が1台停まっている家も
同じように閉じている。

というのを
サングラスのヒゲ男が
キョロキョロ歩いてるんで
近所で空き巣があったら捕まるのかなあ…

不在だからカーテン
というわけでもなく
プライバシーやら床が焼けるやらで

家にいてもカーテンしっぱなし
なんじゃないだろうか。
みなさんのお客さんはどうですか?

ぼくんちにはこんなふうに
日が入って来て

それなりに床も温かくなる

ちょっとわかりにくいけど
レースのカーテンを半分ぐらい
閉めてみると

多少は床にも日が届くけど
だいぶ少なくなってしまうし
厚いカーテンのある方(右側)は
陽差しが届いていない。

この家は古くて
断熱等級3相当なので
今から建てる家とは条件が違うけど

やっぱりレースカーテンでも
ダイレクトゲインは当然
減ってしまうわけです。

ダイレクトゲインが多ければ
暖房負荷が減ります、というのは
もちろん本当だし

そういうふうに設計施工のに
住まい手が勝手に
ダイレクトゲインを拒絶した

というのがほとんどのケース
なんだろうし

今時の住宅なら
ダイレクトゲインに頼らなくても
ほんのちょっと暖房すれば
寒くてたまんね、ってこともなく

おひさまのありがたみって
みんな、実は受けてないのかな〜

そうは言っても多くの家が
南向きに建てたがるし

でもそれは古くは洗濯物
最近では太陽光発電のためなのか

室内に陽射しを取り入れたい
そういう生活は
実は全然ないんじゃないのかな〜

って、前から
ずっと思っていたことですが
改めて気になっちゃいました。

先日見せてもらった家で
リフォームで後付けした
サンルームがありまして

不在時はサンルームより内側は
カーテンなどをしておいて

家に戻ってから
サンルーム部分の窓を開けると
そこの熱が室内に入ってくる
なんて例がありました。

サンルームにコンクリートブロックでも
ペットボトルの水でもいいから
蓄熱体があればなお良いですね。

(夏用に東西に抜ける開口部もありました)

熱と空気をデザインする
というのは
本来こういうことだと思うんだけど

計算上の熱取得、というだけに
おちいっている場合が多い

必要な熱は家の中にあったとしても
生活の必要な場所になかったりする

ファンとダクトがあれば安心
ってわけでも無いので

やっぱりプランニングの時に
熱と空気がどんなふうに移動するか
考えないといかんよな〜と
改めて感じた次第です。

あとはスイッチボットなんかの
カーテンやロールスクリーンを
時間などで制御して開け閉めして
なんてのもあるかもしれないけど…

そもそも、住まい手さんが
お日様のありがたさを
どう思ってんのかな?

とにかく閉じたい、というのが
住まい手にも蔓延しているのだろうか…