地域の一隅を照らす工務店を
応援したい佐塚です。
昨日、スマート家電について
書きました。
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賛成なのか反対なのか
玉虫色になっちゃったなあと
反省しています。
旗幟鮮明にするために
今日のブログは僕が
心の拠り所にしている「不便益」。
不便+益で不便益。
なんのこっちゃと思うかもしれません。
川上浩司さんが提唱する概念で
「不便だからこそ得られる益がある」
という前向きの考え方です。
著書『不便益のススメ』に
刺さった言葉があるので
紹介させてください。
「人と自然の関わりは断絶だけではない」
僕はあまり使いませんが
「エコ」という言葉があります。
これは「エコロジー(生態学)」から
きた言葉であり、生態学とは物事の
関係に関する学問です。
ところが、日本では高断熱・高気密の
住宅がエコ住宅といわれます。
省エネルギーになるからエコ(?)
ということらしい。
それって「人と自然環境との
あるべき関係は断絶だ」
ということなんでしょうか?
元来「関係」を扱う学問の名を冠しながら
断絶を声高にいうのは
確かにチグハグに思えます。
著者はここで
安藤忠雄の「住吉の長屋」を
引き合いに出します。
雨の日は傘をささないとトイレに行けない
という有名な作品です。
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安藤忠雄設計の住吉の長屋。
写真 Oiuysdfg - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2992288による
この住吉の長屋はアンチテーゼであり
安藤忠雄は不便益の確信犯だというのです。
まあ、だからといってトイレに行くのに
傘をさすのを真似ろということでは
ないですよ、もちろん。
物事には
定量化できるような単純なことと
属人的で状況依存的なことがあります。
不便の効用は後者によく効くようです。
もちろん、不便なら
なんでもいいわけではありません。
不便で困った=不便害もあれば
便利だけど害がある=便利害も。
便利で益、ももちろんある。
紹介されている8つの不便益は
- 主体性が持てる
- 工夫できる
- 発見できる
- 対象が理解できる
- 安心・信頼できる
- 上達できる
- 私だけ感
- 能力低下を防ぐ
です。
一つ一つを細かく説明しませんが
なんとなくわかってもらえるかな…?
著者の川上さんには
以前イベントで講演をお願いしたのですが
イベント自体が中止となってしまいました。
改めて本を読み返してみましたが
やはり多くの仲間に理解してほしいので
また機会を作りたいです。
待ちきれない人は本を読んで予習だ!
本文でも紹介した
『不便益のススメ』は
ジュニア新書なので平易でおすすめ。
『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便を取り入れてみてはどうですか?』
は、不便益を訴えるために
わざと長いタイトルにしたという一冊。
(執筆時点で)kindle unlimitedにもありますので
興味があればこれがお手軽。
明日からは町の工務店ネットの
「九州の集い」です。
今日これから前のりで鹿児島入りです。
それではまた明日!