真似と創作の違い…?

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』なる壮大な二次創作を観て、果たして創作とは何か…何を真似て何はオリジナルであるべきか…などと壮大なことを思った…というのは建前で、オッサンの愚痴です。


「二次創作」って言葉
知っていますか?

既存の創作物(漫画や小説、アニメなど)をベースに
ファンが自分の解釈を加えて
創作すること。

元々の創作物(一次)を下敷きにしているから
二次創作、というわけです。

一次創作と二次創作の何が違うかというと
世界観を作っているか
そうでない(あるものに乗っかる)かの違い

世界観を作るのは
やっぱり大変なんです。

先日、話題の映画
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を
観てまいりました。

もう公式がネタバレしてるから
言っちゃっていいと思いますが
壮大な二次創作です。

ガンダムは1979年の作品で
その後も続編やらサイドストーリーやら
違う世界観の話やら
いろんな作品が作られてきましたけど

それらは二次創作とは言いません。
あくまで続編とかサイドストーリーとかで。

今回のやつは、それらとは違って
やっぱり二次創作なんです。

なんて言ってもわからない人には
わからないだろうけど…

ストックしているガンプラでも
作ろうかな…
という気分になったよ。

住宅の設計というのは
一次創作? 二次創作?
果たしてどっちに近いんでしょうね。

どっちでもなくて「真似」の繰り返し
なのかもしれません。

漫画や小説などの著作権と違って
住宅の意匠自体の権利は
永らく認められていませんでした。

それもあってか建築デザインを
丸パクリするようなことも
結構行われてきていて

建築のデザインの意匠権が
登録できるようになったのは
2020年。まだ5年しか経っていません。

一戸ずつ設計する住宅は
常に新規の創作のようにも見えますが

当然ながら
屋根があるとか窓があるとか
そういう部分はずっと変わりません。

でも、単に屋根をかけるとか
窓があるとかというのは
創作とはいえず
誰も権利の主張はできません。

(窓がガラスである、という
意匠権登録をしようとしてもできません)

もちろん、自分のところで
創作したデザインを

タダ乗りされてパクられるのでは
たまったものではないので
意匠権が認められるのは
遅すぎたと言えるかもしれません。

けれど、もともと日本の家は
雨対策の深い軒があったり
庭との連続性とか
陰影の美があったり

そういうものだったし
それは今でも大いに真似すれば
いいと思うのだけど

軒もなければ庭もない
無機質な家がどんどん増えていて

むしろ
既存の世界観を取り入れて
ちゃんと二次創作しろ!

と言いたくなっちゃうけど…

はいはい、ガンダムとか観て
昔は良かったと言っている
喜んでるオジの戯言ですよ。

でもやっぱり、先人の作ったものを
学びながら
ただ真似るんじゃなく
必然を持って創作していく

という行為を
せめて自分の周りの人には
訴え続けたい!

ところで、大雪が報じられる中
ついに浜松でも雪が積もりました!

…これで積もった、という
大騒ぎになるのが浜松市です。

浜松ではまず雪は降りませんから
建物もそういう設えにはなっていません。

そのかわり北西からの風を
どう防ぐかというのが
古くからの課題であります。

気候って建築にとって
難敵でもあり大いに助けになることもある。

近年は気候と遮断する方向が強いし
世界観が変わったのだ!
という人もいるかもしれないけど

光、熱、風など
使えるものは使うという
先人が残した偉大な一歩は
大いに真似ようよ!