土用の丑のでっち上げられた旬、住宅業界には官製の旬

かつては木の伐り旬にあわせて作られていた家づくりは、補助金執行のタイミングに左右されるようになりました。けど、これって家づくりの本質に全く迫ってないよね。


娘が帰省していたので
鰻など食しに行ってきました。

僕らが入った直後に売り切れ
翌日(昨日)が土用の丑の日でしたが
その日の夜はお客さんを入れずに
持ち帰りのみ対応するとのことでした。

掻き入れどきだばかりにお店に入れるのが
普通かと思っていましたが
それだと駐車場が長時間塞がってしまうし
持ち帰りだけってのもありなのかな…
などと感心したりして。

鰻の本来の旬は秋から冬と言われていますが
夏に鰻が売れなくなるので
平賀源内が「土用の丑の日」に鰻(ウのつくもの)を食べる
というのをでっち上げた、という説がありますね。

ある意味作られた「旬」なわけですが
家づくりの旬って、考えたことありますか?

昔の家は木の伐り旬にあわせて
作られいた、という話があります。
伐った後に自然乾燥をする時間もあって
家づくりのタイミングというのが
決まってきたようですが

現代ではこういうことはほとんど
行われていません。(いつでも買える)

では家づくりに旬がないかというと
官製の旬に支配されている
と言ってもいいかもしれません。

顕著なのは今年の3月の
法改正前の駆け込み着工

元々は「年内・年度内に引っ越したい」
というような住まい手さんの希望にあわせて
時期が集中する、ということがありましたが

近年は補助金の交付にあわせて
という官製の旬(というか時期)が
作られているようです。

消費税増税前の駆け込みなんかもそうですが
カネがもらえる、払うカネが減る
みたいな話に時期が左右される

当たり前と言えば当たり前ですが
それって
家づくりの根幹には関係ない話

何より、集中してしまうということは
人的リソースを含め
工務店にとってもあまり好ましくありませんね。

というわけで
お客さんを散らばらせて受注する
ということを意識した方がいい
…と言いたいところですが

そんなのいいからとにかく客がほしい!
というのが本音でしょう。

しかし、本当に良い家づくりとは
「カネ」で時期が左右されるものなのでしょうか?

官製キャンペーンは
ありがたいことも多々ありますが
それは自社以外のどこでも使えるものですから
選んでもらえる理由にはなりがたく

やっぱり、どんなことを考えて
どんなものを作っている
そこに魅力を感じさせないと、ね。