冬至ともったいない精神のお話

今日は冬至。一年で最も昼が短い日ですが、実は「日の入り」が一番早い日ではありません。一番寒い日でもありません。


本日は冬至なり。

今日から日が長くなっていくわけです。
大抵の人は、このことを嬉しく思うんじゃないでしょうか。

古くは、冬至は太陽が生まれ変わる日、なんていう発想もあったそうで、確かにどんどん弱くなっていたおひさまが、この日から元気が出てくるんだから、そう思うのもむべなるかな。

しょっちゅう書いている気がしますが、クリスマスだって、他の宗教の冬至の祭りのパクリというか乗っ取りというか、それに乗じてキリストの誕生日を変えちゃうくらいだから、やっぱりおひさまが元気になっていく、ってのは、みんな嬉しいんだ。

冬至には柚子湯に入るとか(冬至に湯治…)、カボチャを食べる、なんて話もありますね。
カボチャってハロウィーンにも出てくるけど、クリスマスの親とも言える冬至にも出てくるとはね〜。

僕もずっと太陽熱利用の仕事に関わってきたので、冬至にはこういう話を書かずにはいられないのですが、実は今年になるまで知らずにいた恥ずかしいことがあります。

冬至は、年間で最も日が短い日ではありますが、日没が一番早い日じゃなかったんです。
日没が早いのは、浜松市でいうと12月の初旬の頃。

この頃から冬至に向かって、すでに日没は少しずつ遅くなっています。

けれど、1月半ばにかけて、日の出が遅くなっていくので、結果的に当時が一番昼が短い、ということになるわけ。

このズレは、緯度や経度で変わります。

なのに、勝手に冬至が一番日の入りが遅いと思い込んでいたな〜。
(日時計で測るとそうなります)

なんて話は、どうでもいいと思われたかもしれませんが、それがいけない!

建物の設計には太陽の位置との関係が不可欠なのです。

冬至は一番日が短い日ですが、大抵は一番寒い日ではありません。

気温が低くなるのは、大寒・1月下旬から2月初旬ぐらいにかけてです。

なんとなく南側に窓をとる、というレベルなら変わらないかもしれませんが、冬の日射を最大限に活かしたくて、しかも隣家の影の影響が大きい立地だったら、冬至の日射を優先するか、大寒の日射を優先するかで、方位や軒の出も変わってきます。

もちろん、当日の日の入り方だけでなく、熱をいかに逃がさないか(これは断熱、多くのところがやっている)、そして熱をどう貯めておくか(蓄熱。意図してやってるところは多くない)。

そこまでやんなくてもいいじゃないか、って声も聞こえてきそうだけど、「パッシブ」とかいう言葉を使うなら、そこまでやりたいですね。

もったいない精神を、もっと活かすのです。

腕の見せ所です。
(それで、住まい手がカーテンやシャッターしっぱなし、だと切ないけどさ…)