最近、書籍紹介をしていませんでした。
タイムリーな本を一冊と、それほどタイムリーではないけど、紹介まで時間がかかるのもやむをえない本を一冊取り上げます。
一冊目は、『新建築・住宅特集』2026年1月号。
先日お邪魔した、前川建築さん+趙海光さんの「sun-kyo」が取り上げられています。写真は浜松のフォトグラファー・上田明さん。
中身は見てのお楽しみ、ここでは写真は載せられませんので、ご一緒に訪問した方はもちろん、ブログで読んで興味を持った方は、ぜひご覧ください。
sun-kyoだけでなく、以前お世話になった設計事務所さん、工務店さんのお仕事もいくつか載っていて、しみじみと読ませていただきました。
もう一冊は『「風の谷」という希望 残すに値する未来をつくる』安宅和人さんの本です。
984ページ、重量1kgオーバーという、いわゆる「鈍器本」。
kindleで買った方が便利だよな〜と思ったけど、あえて紙の本に挑戦してみました。
(kindle版は明日まで? 結構安くなってます。今買うならkindleかな〜)
しかし未だ挑戦中であり、全部隅々まで読めていません。

住宅特集と比べたら厚さがわかるというもの(でも、住宅特集、薄くなりましたよね…)。
200ページの本を5冊読むより、984ページの本を1冊読む方が、なんだかハードルが高い、気がします。
そういう人が多いからか、「読書ガイド」がついていました。

これ読むだけでも結構楽しいよ!
この本が何を訴えているのか、一口で言うのは難しいですが、「いい居場所をつくる」ということを目指している、とは間違いなく言えます(「残すに値する」、と言うべきか)。
「疎空間」という言葉が出てきます。
都市の「密空間」の対立概念なのですが、これは都会と田舎、という図式ではないそうです。
建築単体でどうこうできる話ではないので、んなこと一工務店に言われても困るぜよ、というのがまっとうな反応かもしれません。
一方で、いくら素敵な建物を、都会の分譲地に一軒だけ建てるのでは、「残すに値する未来」は来ない…ような気もします。
はからずも、「sun-kyo」は、規模こそ違えど、残すに値する未来を作ろうとしたプロジェクトであり、そういう方面にこそ、工務店の生きる道というか、社会的価値があるのでは…

なんて思う一方で、この受注難の時代に、そんなこと言ってられねえよなあ、という声も聞こえてきそうな気もします。
でも、だからこそ、そういう場所を見据えながら仕事したいですよね。
目線を上げていこう!


