実家リノベの、ちょっと手前の話

雨戸が閉まったままの家、地域を歩けば意外とある。住んでる、かもしれないけど、決めるのは誰なんだろう。


世の中は「夏休み」ってヤツになっているような…
工務店さんも、今週一週間休み、というところも結構多いですね。

僕は昨年同様、夏休みなどというものは存在しません。

お盆休みで実家に帰る人が多いので、実家をどうするか、なんて話題を出すのには良いタイミング、なんですが…


「実家リノベ」って言葉、最近工務店界隈でもよく聞くようになりました。
子ども世代が、親の家をリフォームして住み継ぐ、ってやつ。
悪い話じゃないですよね。

でも、これってもう、「動き出した後」の話ですよね。

家族の中で「実家、どうする?」の話し合いが済んでいて、方針が決まって、施工者を探している段階です。
工務店にとっては、案件としてわかりやすいし、取り組みやすい。

でもさあ、その手前に、もっとやっかいな段階があるんだよな〜。


親がまだ生きているけど、施設に入っていたり入院していたりして、実家には誰も住んでいない。
でも「まだ生きているのにそんな話をするなんて」という空気があって、誰も決められないまま、家だけが取り残されている段階です。

行政はこういう家を、水道の使用量とかで見つけようとしているらしいんだけど、見つけたところで、法律的にも家族の気持ち的にも、誰も動けないのは変わらない気がする。

「実家リノベ」の前にある、この「決められない期間」を短くする仕事って、工務店にできないんだろうか?

とはいえ、これはもう純粋な工事案件じゃなくて、むしろ工事の話が始まる前の、「家族が話し合うきっかけ」を作る仕事ですね。

自分たちが建てた家のOBさんなら、まだやりやすいですね。
定期点検やニュースレターの延長で、「実家のこと、何か気になることあったら」の一言を挟めます。
関係が先にあるから。

でも本当に手を付けるべきなのは、自分たちが建てていない家の方かもしれない。
地域を歩けば、雨戸が閉まったままの家、庭が伸び放題の家、いくらでも目に入る(住んでる、かもしれないけど…ウチもジャングルだし)

それは全部、どこかの工務店にとって「お客さんじゃない家」なわけです。

自分の顧客じゃない家の心配をするなんて、お節介にもほどがあるけど。


でも、地域に根を張って商売してる工務店なら、自分が建てたかどうかに関係なく、「この地域の空き家予備軍」として関わる余地があるんじゃなかろうか。

とはいえ、縁のない個人の家に、会社として突撃…なんてのは、玉砕必至なので、ケアマネさんやらお医者さんやらとつながっておくとか、町内会の集まりに顔を出しておくとか、そういうことが、重要なんじゃないかな〜。

こういうのは、まさに「実家の人」、社長の親世代、いわゆる会長職とか、そういう人が、てきめんに向いている気がします。

「実家リノベ」の案件が来るのを待つより、「決められない家族」に早めに出会える場所に、先回りしておく。
自社の実績とは関係のないところに顔を出す仕事も、あるんじゃないかな〜。