ペヤングからは、ちょっと意識的に遠ざかっていたんですが…ペヤングソースやきそばの「ピコ」を見かけてしまった。
結局、買った。

希望小売価格は、ノーマルが120gで214円(税別)。
ピコは80gで120円。
実売だとノーマルが160円くらい、ピコは98円くらいで並んでいます。
カロリーはノーマルが544kcalで、ピコは349kcal。
炭水化物は64.9gが45.8gに。
数字だけ見ると、だいたい三分の二です(ピコって1兆分の1を意味するはずだけど)。
で、つい計算してしまうわけです。希望小売価格でグラム単価を出すと、ノーマルが1.78円、picoが1.5円。
あれ? 小さい方が、割安になっている。
普通、逆ですよね。少量パックは割高になるのが世の常です。
それなのにピコは、小さい方がグラム当たりでは得をする。
ただ、発売元のまるか食品は、そこを一言も売りにしていません。
公式サイトにはこう書いてあります。
ペヤングソースやきそばが通常よりも少ない”ピコ”サイズになって新登場! 小腹が空いた時やちょっとした夜食、おやつ… 幅広いシーンにピッタリな商品です。通常のソースやきそばよりカロリーも少ないためお子様や女性にもオススメです!
安さの話が、一文字も出てこない。出てくるのは、小腹、夜食、おやつ、子ども、カロリー。つまり「安いものを出しました」ではなく「こういう場面には、この大きさが合うでしょう」という提案になっています。値段は結果であって、目的ではない。
ところで、ペヤングにはペヨングという公式偽物がいます。
パッケージも名前も一文字だけ違う、あのふざけた(褒めてます)商品です。
こちらは内容量106g。
公式サイトには詳しく書いてありませんが、まあ「廉価版」という扱いみたい。
同じ会社が、小さいものを二種類持っているわけです。片方は安くするために小さい。もう片方はちょうどよくするために小さい。
同じ「小さい」でも、理由が逆。
というわけで、家の話です。
このところ、新築の家は小さくなっています。
理由として、まず出てくるのは価格。
土地も上がって、建築費も上がって、予算に合わせようとすると面積を削るしかない。
至極まっとうな判断だし、僕はそれを悪いことだとは思っていません。
予算に合わせて設計するのはプロの仕事です。
ただ、それはペヨング型の小ささかもしれない。
安くするために減らした。ちょっと本物とは違う安さ。
減らしたことに価値があるのではなく、価格が目的で小ささは手段。
で、ここからが厄介なところで、家はpicoみたいに単価が下がりません。
むしろ小さくすると坪単価は上がる。キッチンも風呂も玄関も階段も、家が小さくなっても一つずつ必要で、面積で割った瞬間に濃くなるからです。
だから「安くしたいから小さく」でスタートしたお客さんは、途中で必ず一回、裏切られたような顔をする。あれ、思ったより安くならないぞ、と。
その小ささは、削った結果ですか。選んだ結果ですか。
ペヨングが偉いと思うのは、名前を変えたところです。
中身を減らしておいて、同じ「ペヤング」の顔で売らなかった。
ちゃんと別のものとして棚に置いた。
工務店で言えば、規格住宅を別ブランドで立ち上げるのと同じこと…(ではないですが、あえて別名にしているところに、そう感じてもらいたい、というメッセージが見える)。
同じ看板のまま仕様だけこっそり薄くすると、前に建てたお客さんが黙っていませんからね。
まあ、別ブランドを作ったら作ったで、育てるのが二倍めんどくさいんだけど
一方のピコは、堂々と「ペヤング」を名乗ったまま小さい。
格は落としていません、という宣言です。

実は、「ふりかけ・スパイス」が付いてない…コストダウンなのか、ターゲットに合わせてるのか?
家でこれをやるなら、断熱も構造も造作の考え方も一切変えずに、面積だけ小さい家、ということになる。
(ふりかけは…なんだろ?)
安い家ではなく、ちょうどいい家。
以前も書いたけど、これは我慢ではなくて最適化で、大きい家に要望を足していくよりよっぽど難しい。
設計が下手な人には作れないやつです。
だからこそ、聞かれたときに答えられるようにしておきたい。
うちが提案している小さい家は、ピコですか、ペヨングですか。
どっちも商品として正しいけど、混ざっているのが一番マズい。
安く見せて売って、中身は最適化のつもりで、伝わるのは我慢、とか。
で、ピコ食べましたけど、足りなかった…僕はターゲットじゃなかったってことか。
ちょうどよさ、難しいな…


