戸建ての9棟に1棟が空き家だけど黙って見てるの?


地域の一隅を照らす工務店を応援したい佐塚です。

この時期は住宅関係の補助金が
次々に発表されますね。

26日には地域型住宅グリーン化事業
昨日・27日には
空き家対策モデル事業の募集が始まりました。

地域型住宅グリーン化事業は、工務店なら
もう言うまでもないものでしょうから
ここでは取り上げません。

空き家問題はずーっと言われてきていますが
実際には空き家は増える一方です。

平成30年の住宅・土地統計調査より

前回・平成30年の住宅・土地統計調査では
空き家は約848万9千戸、空き家率13.6%。
年々増えているのがわかりますね。

この空き家数・率には、別荘だとか
賃貸物件の空き、建売で売れていないもの
などが含まれています。

これらを除くと349万戸が
戸建てで誰も使っていない
「困った空き家」だといえます。

同調査によれば
日本の戸建ての総数が3207万棟。
そのうち349万戸が使われない
空き家だとすると、およそ9件に
1件が困った空き家ということになります。

さて一方で、先の補助事業はあまり
工務店向けのイメージがないものです。
過去の採択も自治体やNPOが多い。

でも今年は補助事業の名前が
少し変わっていて、中身も
ちょっと違うのかな?

大雑把にいうと

[ソフト型]

・空き家の活用提案
・空き家関連のビジネスモデルの構築

[ソフトハード一体型]

・ソフト提案を活用した改修工事

[ハード提案部門]

・改修や除去工事の技術や工法

が補助対象です。工務店であっても
やっていけないわけではありません。

空き家でも建っていれば
固定資産税が軽減される
制度のおかげで
放ったらかしの空き家が増え
業を煮やした行政が
「特定空き家」に指定して
除去も可能になったのが2015年。

先月、空家特別措置法の
改正案が閣議決定され、
放置されたら「特定空き家」に
なりそうな空き家を
「管理不全空き家」に指定し
改善されなければ
固定資産税の軽減対象でなくなるという
ことになりました。

困った空き家の349万戸が
もし全て「管理不全空き家」になって
土地の固定資産税が6倍になったら…
行政はウハウハかもしれませんが
それなら解体するなり
収益物件にしたいなりという人が
当然増えますよね。

実際には固定資産税増額分と
解体費用を天秤にかけて
どうしようーって
モタモタしながら結局
増額した固定資産税を
支払う、というのが
土地の安い地方での
末路な気がするなあ。

解体費も上がってますしね…。

解体するのか、使うのか。
どっちにしてもいい知恵が欲しい。

そんなこんなで
冒頭の補助事業のようなものが
求められているわけです。

工務店は建てるのが仕事で
住んだ後のことや
ましてや次の新築がない
解体なんかは眼中に
ないかもしれません。
(空き家の管理をしている
工務店もありますが)

でも明らかに
中古購入→リノベーション
というお客様が増えているのは
多くが実感しているはずです。

なんとなく模様替えすることは
工務店以外の業種でも
可能ですが、その家が
「使える」のか
「壊したほうがいい」のか
を判断して適切に
改修を行うのは
工務店に一日の長がある。

9棟に1棟が
「なんとかしたいけど
なんともできない家」
であるのだから
商売の種がゴロゴロ
転がっているとも
考えられますよね?

空き家問題に決め手がなかったのは
行政や不動産事業者ばかりが考えて
住宅の作り手が
きちんと考えてこなかった
からかもしれませんよ。

このままじゃみんな
〇〇〇不動産に
取られちゃうぞ!

とは言え、空き家の持ち主は
「うまい話に騙されたくない」
という気持ちでガードが
固いことも多いので、ゆめゆめ
ガツガツとやらないこと!

以上!