そんなに明るくしなくてもいいのでは

部屋を明るく! というのは設計者も施主も取り憑かれたかのようにおっしゃいます。
でもほんとにそうかな? 夜は暗くて当たり前、今日はそんな話です。


部屋を明るく! というのは
設計者も施主も取り憑かれたかのように
おっしゃいます。

でもほんとにそうかな?
夜は暗くて当たり前、今日はそんな話です。

昨日の津波注意報で
東日本大震災の時のことを
思い出しました。

あの頃は、駅も商店も
「節電」の掛け声で
照明を間引きしていました。

それ以前と比べて
建物の中は暗くなったけれど
なんの不自由もない

それどころか、僕にとっては
むしろ過ごしやすかったような
気がします。

でも、また元に戻ってしまった。
建物の中、明るすぎるんだよなあ。

先日、zoomをやっているときに
後ろが暗すぎる! と
指摘されました。↓

まあ、確かに暗いかな。

↑こっちは少しは明るい、けど
まあまあ暗い。
(暗いことよりあくびしている方が問題だな)

僕は目が強くないので
明るい日差しの中はしんどいし
家の中も必要以上に明るくしたいと
思いません。

ところが大多数はそうでもないようで
設計者は「照明」で苦労していますよね。

以前紹介した
『建築家は住まいの何を設計しているのか』
にもそういう話がありました。

↓こちらは紹介した僕のブログ

読書『建築家は住まいの何を設計しているのか』
元『建築知識』編集長の 藤山和久さんのweb連載を まとめた本 『建築家は住まいの何を設計しているのか』 確かに実名・匿名で 多くの建築家が登場します。 でも建築家論、というより 住宅設計論、かな。 ——– 地域をよくする工務店を 応援する...

↓こちらは、照明の話を抜粋したお話

バカみたいに明るい日本の家を何とかしたい…建築家が「照明が暗い」という家主のクレームを無視し続けた理由 夏場でもサングラスなしで平気な目に進化した日本人
明るい家に住み慣れた日本人が、欧米型の住まいの様式を取り入れるにはどうすればいいか。ある建築家は、新しいわが家に引っ越してきた施主一家から暗いから明るくしてほしいという要請があっても、あえてお茶を濁して取り合わないという。編集者の藤山和久さ...

「PRESIDENT Online」に掲載されています。
本は紹介しても読む人少ないけど
webならすぐ見られるでしょ。

日本では、欧米では、という話は
この際しませんが、本文中にある

こう言ってはナンだが、インテリアやファッションには何の関心もなさそうな職人気質の工務店でさえ、メインとなるリビングやダイニングには照明を分散していまどきを意識している。

という一文に失笑しました。

職人気質だから照明を重視している
という意味ではもちろんなくて

客がとにかく明るくしたい
という要望を持っていて
それに応えるために
無闇に照明を増やしている

という皮肉です。

生活に必要な灯は欲しいけど
夜間に、部屋の隅々まで明るくなくても
いいじゃないか…

この手の話になるとどうしても
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」に
触れたくなりますが、そういえば
前に書いていた。

夏至なので昼光利用について触れてみる
「一番日が長い日」 夏至がやってきました。 「住まいマガジンびお」の 二十四節気毎の連載も 更新です。 ——– 地域をよくする工務店を 応援するネットワークの 佐塚です。 ——– 浜松市の場合は 夏至の日の出が4:37 日の入りが19:6 ...

昼間に暗いから照明をつける
というのは馬鹿馬鹿しいので
昼光利用をしたらいいけれど

夜は暗くて当たり前なんだから
暗いなりに過ごせばいい。

そんな風にいかないのが
現代生活なのかもしれませんが

僕は今、夜明け直前の暗い部屋で
こんな感じでブログを書いています。

照明はUSBの灯のみ。
最大5w。これで十分。

もちろん、何をするかによって
必要な照明は変わってくるけれど

その必要な居場所ごとに
分散照明があれば良い。

紹介した本(リンク先)にも、暗いという
クレームは、しばらく放っておくと
施主が慣れる、という回避策(?)も。

思い切って、部屋を暗くしてみては?