昨日発生した平成6年能登半島地震は
まだ被害の全貌も明らかになっていません。
今の時点ではただ、なるべく早く普段の生活が
取り戻せるよう祈るばかりです。
以前にも書きましたが
能登方面ではこのところ地震が
よく発生していて
しかしながら石川県の
地震保険は安く
地震地域係数(z)も
石川県では
輪島市、珠洲市、鳳至郡、珠洲郡は
0.9の地域です。
地域係数が0.9だからといって
建物がそのぎりぎりで設計されていたか
分かりませんが
行政が
あなたのところは地震起きにくいから弱めでいいよ
とお墨付きを与えてしまっている
これは由々しき事態です。
豪雪地帯では積雪荷重があるので
耐震等級を上げるのは
雪が降らない地域より大変だということで
耐震等級3をとる割合が少ないようで
豪雪地の耐震等級2は
そうでないところの等級3より
丈夫だとかいう人もいるのですが
雪が降った状態で地震が起こることも
あるんだから、その比較はおかしいかな…?
幸い、今回は報道の映像を見る限りは
雪が屋根の上にどっさり、ということは
あまりなかったようですが
それでも倒壊した木造の建築物の
映像が多く報道されていました。
↑AbemaTVの報道から。
これもまた例によっての
ミスリードというか…
NHKのアナウンサーは
「古い木造住宅は危険です!」
と叫ぶような声をあげていて
古いからといって
地震に対しても必ずしも危険と
言い切れないのは
建築関係者なら知っている話で
(もちろん危険なものもたくさんある)
実際に今回はRCらしきビルも倒れているし
(古そうですが)
古いから危険、なのではなく
古いものは耐震基準を満たしていない
もっと言えば耐震という意識を持たずに
設計されているものが多いから
危険なことが多い
と、きちんと報道してほしいけれど
緊急時には「古い木造は危険」
という言葉に収斂されてしまうんだろうなあ…
さて、大変な混乱であろう中、恐縮ながら
石川県の工務店の方に状況を教えていただきました。
まだ被害状況の確認も十分できていない
ということで、これからどうなるか
僕に何ができるかも分かりませんが
あらためて、地震は日本のどこでも
起きるということを理解して
地震で絶対にお客様を亡くならせない
ということが
工務店の一番重要な責任ではないでしょうか。
耐震性能というのは
暮らしていても実感が湧きにくいし
耐震改修しても住みやすくなるわけでもなく
場合によっては住みにくくなったりもして
売り手も買い手もそんなにやりたがらない
一方、温暖化対策という
国際的な金科玉条がある
省エネ改修はずいぶんリッチに
補助金がつくようになりました。
そもそも耐震性能に
3つのランクを設けているのは
雪国への配慮だったりも
するかもしれませんが
地域係数の話とあわせて
やっぱりおかしい、はず!
実際に地震被害を受けた方々は
生活の再建もままならぬまま
数年を過ごすこともあります。
一方で、僕らは
喉元過ぎれば熱さを忘れる
そんな国民性も持っていて
普段は地震のことなど
忘れてしまいます。
大きな地震が起きて
苦しんでいる人がいる
こんな時期に不謹慎だと
不謹慎警察に捕まるかもしれませんが
今回、被害の少なかった地域こそ
より一層の耐震の必要性の
アピールに励んでいただきたい。
今なら伝わる…けど
すぐに忘れてしまう人も多いから…