ギャラリーエークワッドにて吉村順三展

ギャラリーエークワッドの展示「建築家・吉村順三の眼 ーアメリカと日本ー」を見てきて感じたこと。


強化合宿の最後のカリキュラムは
竹中工務店・ギャラリーエークワッドにて
開催中の

建築家・吉村順三のまなざし
―アメリカと日本―

副題にあるように
レーモンドとの出会いからアメリカ時代に
大きく焦点が当てられています。

一方で
猪熊弦一郎さんとの交流や
多喜子夫人、娘の隆子さんの
ソルフェージスクールなどの展示が多く

芸術という部分も
もう一つのテーマだったようです。

今更、僕が吉村さんのことを
語るまでもないし
語る資格があるとも思えませんし

会場内は撮影禁止だったので
中の様子も写真ではお伝えできません。

(入り口のここまではOKだそうで)

個々の展示物を評するというよりは
全体的に感じたことを。

全6章立ての展示のうち
最後の6章は、吉村さんが作った
建築を今も使っている住まい手・オーナーの
インタビューです。

みな口々に居心地の良さや
長く使えるということを
語っています。

なぜでしょう?

今回の展示では住宅は少ないものの
吉村さんは自分の設計の原点は
住宅にあると語っています。

僕の家は、だだっ広い商人の家で、ちっともコーズィーなコーナーがないので、自分でいろいろ工夫してそういう自分の陣地を作っていたことを思い出すのですが、そのまま、今でもやっぱり同じなのです。自分の好きなコーズィーなスペースを造ろうというのが、それが、僕の、建築デザインの基本です。
(『火と水と木の詩』より)

なぜ建築をやるのか?
人それぞれ、いろんな理由があるでしょうけれど

自分の好きな空間を作りたかった

ということが原点になっている人は
多いのではないでしょうか。

しかしながら
工務店も(設計事務所も)商売ですから
必ずしも自分の好きなものばかりが
求められるとも限りません。

アレが売れているといえば言って写真を撮り
コレがいいらしいと聞けば見様見真似をし

本来は住まい手の
健康や財産を守るための
住宅の「性能」が
商売のための旗印になる

もちろん、ニーズがあるから
商売になるわけですが

その「ニーズ」と
自分の「原点」の間に
ずれがない人・会社ほど
魅力
があるんだろうなあ

と思うのでした。

いつになく遠回しな話に
なってしまいましたが

それ以外にも見所の多い展覧会なので
東京にお運びの際はぜひ。

閲覧は無料です。
ギャラリーエークワッドにて
3月28日まで開催中。

https://www.a-quad.jp/