イカとラッキョウと私

イカのはらわたとか、ラッキョウの茎とか、売ってはいないけどあったら使えるもの。買った方が安いとか、無理に使わなくてもいいとか、そういうのとは別の世界がきっとある。


毎度お馴染み
週末お料理講座(?)

今週の素材は
ラッキョウ

イカ

一体なんの話だ…?
とお思いでしょうけれど
我慢してお読みください。

ラッキョウの産地って
全国的には鳥取が有名ですが

浜松にも砂地がまあまああって
ラッキョウはこの時期
地物がたくさん出回ります。

それを買ってきて
すぐ処理するつもりが
少し間が空いてしまったら
切り口からもう芽が伸びてくる。

すごい生命力ですね〜

禅寺なんかでは「五葷ごくん」といって
禁忌の野菜がありますが
ラッキョウはその中の一つ。

食べると欲が出るから
ダメなんだって〜

今回は甘酢漬けにしようと
処理をしたけれど

切り落とした茎の部分が
なんだかもったいない…

ので、キムチ化↓

それからイカ。

本体をマリネするために
買ってきたんだけど
ゲソとエンペラは使いません。

何かに使いたいところだけど
僕は明日から長期不在。

こんなときは保存食です。

はらわたを壊さないように取り出し
(ちょっと壊れた)
塩をまぶしてしばらく放置

水気を飛ばした
エンペラやゲソと和えれば

塩辛の出来上がり。
帰ってきた頃が食べ頃かな?

ラッキョウの茎も
イカのはらわたも
それだけでは流通していません。

普通は捨ててしまうことも
多い部位です。

買った方が安いとか
別に食べなくても困らないとか
それはそれで真理なのですが

使えるものがあるのに
捨てるのはもったいない

という気持ちと

俺ならこの材料で
きっといいことができる!
という遊び心というか
向上心というか

小林澄夫さんの『左官礼賛』に
素材の無償性
という言葉があって
とても印象に残っています。

小林 澄夫 (著)

建築材料は、元々は
言ってみればそこら辺に
転がっているもの

構成されていました。

土、木、石などなど

今ではお金を出して
遠くから運ばないといけないし
土や砂だって手に入りにくくなって

素材の無償性なんて
どこかに行ってしまいましたが

それでも、端材を
どんどんコンテナに捨てるのと

ちょっとした加工をして
現場で利用したり
薪ストーブの燃料にしたり
するのとでは

材料に対するリスペクトが
ずいぶん違うよな〜

と、なんとか
めんどくさい話に着地できました!

買った方が安い
捨てた方が楽

競争の中では
これが真理かもしれませんが

ここから脱すると
違うものが見えてくるんじゃないかな〜