『建築を見る技術』のこと

建築を見るのにどんな技術がいるのか? 料理だったり服だったりアートだったり、より一般の人に身近なことに当てはめて考えてみる、という本の話


よくこのブログを見てくださる方は
知っているかもしれませんが

食べ物というタグがあって
日曜日は割と食べ物ネタが多い

でも別に僕が食いしん坊だから
というだけではなくて

料理という行為のアナロジー(類推)が
建築を伝えるための
格好の材料
だからなんです。

というわけで
一心不乱にらっきょうを剥いていた
わけですが

これって何のアナロジーだろ?
って思ったら去年書いてた。

イカとラッキョウと私
イカのはらわたとか、ラッキョウの茎とか、売ってはいないけどあったら使えるもの。買った方が安いとか、無理に使わなくてもいいとか、そういうのとは別の世界がきっとある。

一般のお客さんに
建築を例えてお話ししても
なかなか通じないでしょうけれど
料理に例えてみたらどうだろう?

ってことを常々考えてきました。

やっぱり同じように
というか、もっとしっかり
考える人がいるわけで

坂牛卓さんの『建築を見る技術』

帯のこの言葉
「建築と料理は同じ?」

もちろん同じではないですが

レシピが不完全だったり、つくる人任せだったりするのと同じように、設計図にも同じように欠落があったり、施工者にお任せしますというような部分があるものだ。

という記述や

さらにものをつくるということは人の腕に結果は左右される。

なんて記述は、うなずくしかないわけです。

食べ物に例えるだけでなく
例えば

建築は身体を包むものだし
服もそうですね。

オートクチュールプレタポルテ

というのは元来アパレルの世界の話ですが

一品モノと高級既製品
という点で建築のそれにも
当てはめられます。

アパレルではオートクチュールを手がけるところが
プレタポルテにも進出するという構図ですが
建築ではどちらかというとこの両者は対立構図かも?

僕はガンダムとジムという例え
この両者を解釈していますが
それもやっぱりオートクチュールがあるから
プレタポルテが生きるってことだよ、ね?

そういや、ガンダム世界の
モビルスーツも
パワードスーツに端を発した
「スーツ」

身体を包むものなんだな〜と考えると
建築とは遠からぬ親戚なんだったりして…

というのはさておき

著者の坂牛卓さんの本は
以前も紹介しています。

『教養としての建築入門』で再入門してみる
今更「建築入門」と言われても…とお思いかもしれませんが「見方」「作り方」「活かし方」この三つから解いていく本。自分たちの仕事を、どう見られるか、どう作るか、どう活かせるか。そんなことのヒントに再入門してみては?

自身が建築を見るために読むもよし
自分たちの建築を伝える参考に読むもよし

ゴールデンウィークも仕事
って人も多いでしょうけど
読書もお忘れなく!

坂牛 卓 (著)