「便利」が「お荷物」に変わるとき

便利なもの、いいですよね。便利だから。でも、便利なものが、ずっと便利とは限らないのです。


東京スカイツリーでエレベーター故障…
数時間にわたり閉じ込められていた人、怖かったでしょうね。

僕は高いところが苦手で、スカイツリーも6階の水族館止まり。
東京タワーの、スケスケ床なんか、キャンタマがキューってなってもうダメです。

地方都市一高い建物が浜松に?

というわけで、静岡県には高い建物がなくてよかった…と言いたいところですが、浜松には、地上45階、高さ212.77mのアクトタワーなる超高層ビルがあります。
一回だけ、一番上の展望台に行ったなあ…あれ、二回だったかな…記憶が抹消されているかも。

↑これ。浜松に来たことある人は、なんかバブルっぽい建物があるなあ、と思ったことでしょう。

212.77mという高さは、三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)以外では一番高い建築物だそうです。地方都市最高峰!

でも、僕は高いところには用事はありません。
ただ、他の理由で、浜松駅とアクトタワーの間をよく行き来します。

浜松駅新幹線ホームから見るとこんな感じ。近そうですが、歩くとちょっとかかります。

途中に、「動く歩道」があります。

ありますが…

撤去される「便利」

しばらく停止中のままでしたが、来年度に撤去、とな。

とはいえ、実はこれ、初めてではありません。

建築当初はもっとたくさんあった動く歩道、これまでも撤去が進んでいて、来年度で、ついに全てがなくなってしまいます。

修繕や新設ではなく、撤去です。

維持管理の費用が、得られるメリットを上回っている、と判断されてのことでしょう。

そもそも、別に要らなかった、ってことなのかな…

そして、住宅の設備でも、似たようなこと、あるんじゃないかな…?

「便利」→「お荷物」

古くはセントラルクリーナー、ジェットバス、あるいは初期の建材一体型太陽電池…多機能インターホンなんかも、今は困っている人、多いかも?

一体型シャワートイレなんかも、家電的要素と設備的要素が混ざっていて、家電側の寿命でまだ使える設備もダメになるという残念なものです。

今、もてはやされているものも、将来はどうなるか?

専用設計すぎる全館空調
専用フィルターが必要な換気・空調
ニッチにピッタリハマっているスマートホームコントローラー
その他、クラウド連携系の機器

この辺は、「具合が悪い」となっても、人間が介入する余地がほとんどありません。ブラックボックスです。メーカーに見捨てられたら終わりです。サクッと買い替えられるものならいいですが、住宅に埋め込まれていると、なかなかそうもいきません。

いくらメーカーが「見捨てません」と言ったところで、30年後のことなんか、誰もわからないのです。

特殊なもの、家に埋め込んでしまうものは、最初はワクワクするかもしれませんが、いつか負債に変わってしまい、厄介者扱いされたり…可哀想。

30年後の平穏を守ろう

大工さんや水道屋さん、電気屋さんが、「なんとか直せる(交換できる)」ぐらいじゃないと、長く使い続けるのは難しいんじゃないでしょうか。

壊れた時に修理できるか、というのはもちろんのこと、例えば取り外す時の方法が確立しているか、なんてことも頭に入れておきたいけど、最初はみんな、そんなこと考えずに、夢の世界に旅立っちゃうんだよなあ…

僕だって新しいものに興味はあるし、それで必要のない作業が減るなら楽をしたいです。

だから、あらゆる住設機器を否定はしません。
でも、あらゆる住設機器は、建築の寿命に応じて修理・交換できなければ、いつか邪魔者になってしまいます。

「設備の便利さ」は、「あなたの会社の素晴らしさ」ではない!

工務店が売るのは、最新設備じゃなくて、30年後の平穏だ。