地域の一隅を照らす工務店を応援したい佐塚です。
住まいマガジンびおにコラムを書きました。
祖父江ヒロコさんの可愛らしいイラストに
僕が可愛らしさを台無しに
するようなことをつづっています。
二十四節気毎に書いていますので
概ね15日に1回。
今回で立春から数えて5回目です。
「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」
なんていう爽やかな感じがいいですね。
浜松では、外を歩いていても
暑くなく寒くなく
色々な樹々も芽吹いてきていて
こんな僕でもウキウキしてきます。
でも、今日は(も)全然ウキウキしない話ですよ。
コラムで地球温暖化のことに少し触れました。
温暖化だけでなく
今、人類が抱えている多くの問題の
行く末の想像を爆発させた書籍
『こうして、世界は終わる』を読んで
ゲンナリしています。
人類は、「人間適応的楽観主義」におちいり
気候変動を過小評価したため
とてつもないことになって
世界の多くの国が破滅していく
というお話です。
人間適応的楽観主義というのは要するに
「人はこれまでもいろんなことに
適応してきたからなんとかなるさ」
という、読んで字の如くの主義です。
大抵の人はこの主義が
根底にあるんじゃないかな〜。
温暖化で熱波、干ばつが頻発、虫が増殖、パンデミック、森林破壊・砂漠化が進んで食糧の奪いあいが起きる。
地球を冷却するために、待機中に硫酸塩の粒子をまく。
硫酸塩の粒子で、太陽からの放射熱が減って気温は下がる。
季節風がやむ。そしたら農業が不作になる。
冷却をやめたら急に温度が上昇。永久凍土が溶けて西南極氷床やグリーンランド氷床が崩落、海面上昇。
2001年以降で気温が11℃上昇、海面は8m上昇。
ここで日本人の遺伝子工学者が猛烈に二酸化炭素を消費して光合成を行う地衣類を開発、合法か非合法かわからないが世界に広がって二酸化炭素の上昇スピードは落ちる。
でも世界はボロボロ。そんな中で、中国は大崩壊を免れる。
なんていう感じのお話です。
どこからが未来の話で
どこまでが現実に起きている話か
はっきり区別できませんよね?
この書中で中国が大崩壊を免れたのは
人を強引に移住させたりすることが
できたからです。
現実にコロナ騒動の中での都市封鎖もありますし
強制移住は今もあるといいます。
色々なところにリアリティを感じずに
いられませんでした。
科学的に突き詰めると
ツッコミどころはきっとあるのでしょう。
でも、このフィクションは、
将来ノンフィクションになってしまうんじゃないか
という怖さを感じました。
そうしないためにどうするか。
工務店ができることは
自然室温で暮らせる家をできるだけ普及する
ということに他ならないでしょう。
あとあとエネルギー垂れ流しになる
住宅を作らないこと。
そんな背景もあって、うちのUa値は〇〇だ!
と自慢している工務店も多い。
けれど、第三者によるホームインスペクションの結果
2022年の戸建て住宅の9割で構造や断熱の不具合
という記事がありました。
いくら設計上の断熱性能が高くても
ちゃんと施工してなかったら
元も子もないよな…
これは手抜きというより、需要に対して
経験の浅い工務店のスキルが追いついていない
ということでしょう。
そしてもう一つ
お客様も、ここの会社大丈夫かな、と
不安だからインスペクションを頼んじゃうんですよね。
そういう関係だからこその、9割という数字なのでは。
うちはそんなことないですよ
と胸を張って言えるかな? 言えるよね?