『ひなびたごちそう』に学ぶ感覚のリセット

地域の一隅を照らす工務店を応援したい佐塚です。

相変わらず週末は猛料理です。
今週は韓国料理にしようと
思っていたけど出来上がってみたら
イタリアンだったり…。

自分で好きなように作るので
自分にとっては美味しいんだけど
果たしてこれでいいのかなと
思うことがあります。

世の中にはもっと
ウマいものや
マズいものが
あるのは当然の話。

作家の島田雅彦さんが
『ひなびたごちそう』
という素敵な本を出しています。

本書の中に
「味覚を狂わすこと」
と題して

ところで、
私は二週間に一度、
ジャンクフーズを
食べる日を決めている。

(略)

日本のビジネスマンの多くは
多忙な職務の合間に不規則に、
それほど食べたくもない
高カロリーの食事を重ねて太り、
成人病を呼び込んでいる。

(略)

二週間に一度、
あえて味覚を狂わせることで、
ひなびた家庭料理が
にわかに愛おしく思えてくる。

なんて話があります。

僕はそれに影響されて
時々(割と頻繁にですが)
ペヤングソース焼きそばで
味覚をリセットしています。

味覚だけに限りませんが
感覚に絶対的なものなんかない。

でもプロは
そんな自分の「いい」という
感覚を多分に提案し
共感してもらって
仕事を成立させるわけです。

うまくいっていれば
いっているほど
「本当にこれでいいのかな」
という自問をする機会は
少ないかもしれません。

自信が出てくると
俺すげー的な無敵モードに
入って、まさか自分の
モノサシが狂っているとは
思いもしない。

そんな風に陥らないために
他社の仕事を味わってみて
自分の感覚のモノサシを
リセットするのが必要だと
感じています。

ベンチマーキング、ってやつ
ほど厳密でなくていい。

「感覚を狂わせる」ことで
自分(や他者)の価値をもう一度
見出すことができるのでは
って話です。

他社を見学すると
「ディテールの真似をする」
とか
「取り組みの真似をする」
とか
そっちの方に意識が行きがちですが
モノサシのリセット
という気持ちで行ってみても
いいんじゃないかな。

島田雅彦さんの著書には
『衣食足りて、住にかまける』
というのもあります。
住宅のプロにはこっちの方が
面白いかもね。
(絶版ですがおすすめ)

以上!