東海道新幹線のグリーン車に置いてある
雑誌「Wedge(ウェッジ)」に
「瀕死の林業」なる特集が。
木造住宅を作る工務店にとって
林業はなくてはならない存在です。
一般誌(と言っていいかわかりませんが)
では、林業は一体
どんな切り口なんだろうか?
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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。
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東海道・山陽・九州新幹線が
ネットで予約できて
割安な「EX予約」を使っています。
使っている人も多いですね。
スマホから乗る直前まで予約・変更が
できるこんなやつ。
よく宣伝しているスマートEXは
機能は似ていてい会費は不要ですが
値段は安くなりません。
EX予約はビジネス契約でも
一番安いやつなら年会費は1人1,100円。
(個人契約も同じく1,100円)
年に1回でも遠出すれば
会費以上に運賃が安くなるので
登録しておくといいですよ。
(今度、運賃が値上げされるようですが…)
新幹線に乗るとポイントがつき
そのポイントでグリーン車に
乗ることができます。
毎年6月がポイント失効期限なので
京都に行くのに使っちゃいました。
東海道新幹線のグリーン車には
「Wedge(ウェッジ)」という
雑誌が備え付けてあります。
車内販売のアナウンスで
「時代の先端をいく雑誌」と
言っているアレ。
書店で売っていませんし
売っていても買わない雑誌ではありますが
表紙にでっかく「瀕死の林業」。
前置きが長くなりましたが
そんなわけで、普段は読まない
雑誌を読む機会がありました。
ご覧の通り
登場するのは林業業界では
名の知れた人ばかり。
大型パネルやCLTといった
工務店にはお馴染みのものも
登場していました。
気になるのは
林業の実態と政策について。
林業行政が「成長」を追うあまり
持続可能な森林・林業からは
遠ざかっているのではないか
「木を見て森を見ず」に
なっているのではないか
というのが特集の根底にあります。
本記事を読んで
改めて強調しておきたいなと思ったのは
- 木材自給率は上昇してきている
(2002年の18.8%に対し、2021年は41.1%) - 木材総需要は下落している
(経済的には林業は成長していない) - 木材価格はピーク時の2/5
(スギ中丸太の場合) - 合板やバイオマス発電用の安い木材が
製材価格も抑えてしまう。 - 山元の立木価格は製品価格に対してわずか2%
丸太価格でも21%しかない
1980年代はそれぞれ31%、57%。 - 皆伐しても3割ほどしか植樹がされていない
といったあたり。
(詳細はここではとても書けませんので
興味がある人はグリーン車に乗るか
車内販売で買ってください)
山元に2%しかお金が落ちないなんて
ショックではありませんか?
工務店としては
安く材を買いたいのは当然です。
製材所も同じく安く買いたい。
市場も同じ。
生産者(山元)は高く売りたい。
それぞれが、直接の取引先としか
やりとりしていないから
全体を見る視点もない。
だから材の価格は下げ止まり
山元へは2%しか残らないという
悲劇が起こります。
以前、吉野で林業家にお話を伺った際
いくら吉野材、100年生といっても
重さあたりでは大根の方が高い
と言っていたのが衝撃でした。
用途が違うから大根と比べても
仕方ないですが
100年間、複数世代が手をかけて
育てた結果のリターンが少なすぎる…
こういう大径木は機械に入らないから
さらに安くなってしまったりするのです。
だから皆伐しても
また植えようなんて気にならない。
裸の山は災害の元にもなって…
というのが、「瀕死の林業」の
一部です。
自分が植えた木は数十年、100年後に
誰かが使う、という長いスパンでの
取り組みが林業です。
このスパンが守れなくなっている…
ということが一般誌に
紹介される時代です。
工務店のこれまでの態度
これからの態度が
より問われるのでは。
工務店の中には
こうした山の事情も考えて
一緒に取り組むところもあります。
立木から購入している工務店もあるし
そういう例が本特集にも紹介されていました。
地域型住宅グリーン化事業というのは
本来、そういう目的のためみ整備された
グループ推進のはずだったのですが…
もはや補助金獲得の目的化に
なっていますね。
工務店が「補助金のもらえるグループに入ろう」
という動機だけで加わるのもその一因では。
林業がなくなったら
国産材で家が作れなくなります。
じゃあ、なくならないために
何ができるでしょうか?
大型パネルやCLTが
その一助として本記事には
紹介されていました。
しかし、すべての家が
そうなっていくわけではありません。
木材に付加価値をつけるのを
上流側でやるのか
工務店側でやるのか。
僕は工務店がやるものだと
考えていますが
潮流は必ずしもそうではありません。
さあ、どうする、木の家をつくる工務店たちよ。