入梅イワシと気候変動


今日は「入梅」
二十四節気…ではなくて
雑節の一つです。

(浜松は今朝も
梅雨のシトシト雨というより
まあまあ大雨ですが)

二十四節気は中国から
入ってきたものが
ベースになっています。

雑節はそれを補う
日本オリジナルの
季節の節目。

「土用」とか「彼岸」とか
「半夏生」なんかも
雑節です。

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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。

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入梅(梅雨入り)の頃は
イワシ(鰯)が美味しくなります。

「入梅いわし」と呼ばれて
尊ばれている
とかネットによく書いてありますが…

お店に行くと尊ばれている
雰囲気は全然ありません

1尾数十円の安売りです。

安かったので
入梅にちなんで
今日はイワシの梅煮。

入梅時期に関わらず
イワシはたいてい安い。

けれど、年によって
随分漁獲量が違うようです。

こちらは水産白書令和元年版より。

1988年には漁業生産量の
半分以上がマイワシでしたが
2000年前後は極めて少ない

この頃は小売価格も
高くなっていたようですが
最近少し漁獲が戻ってきています。

以前は、乱獲の影響と
されていたようですが
近年の解釈は違います。

イワシが減ったのは
「レジームシフト説」
と言われています。

レジームとは「構造」とか
形態」とかそんなような意味。

海の構造が切り替わって
魚の生態が変わる、という説です。

環境は少しずつ変化するものですが
突然大幅な変動が起こることがある

というのがレジームシフトです。

最近だとサンマが不漁になっていますが
これもレジームシフトによるという
説が濃厚です。

このへんの話は
『イワシと気候変動』(川崎 健・著/岩波新書)
に詳しいです。

自然の許容量が
何らかの理由で溢れた時に
レジームシフトが起こると。

海の中のことでしょと
侮るなかれ。

近年の台風の大型化や
蛇行などは
海水温の上昇が一因と言われています。

海(海水)はかなり熱容量が大きいので
変動も小さい…と思っていたけど
それ以上の変動要因を人間が作ってきた…

海があれこれ吸収しきれなくなれば
地上にその影響が出てくるはずです。

(暖かくなる側だけでなく
冷たい側へのシフトも
もちろんあり得ます)

レジームシフトというのは
決して海の中だけを指す言葉では
ありません。

環境省が公開している
「2100年未来の天気予報」
というものがあります。

札幌の最高気温が40.5℃。
名古屋は44.1℃。
那覇は涼しくて(?)38.5℃。

2100年なら
生きてないからいいや?

ってわけにもいかないですよね。

いわゆる「エコハウス」というのは
エコノミーの「エコ」なのかなと
思うことがよくあります。

それはもちろん大事なことです。

でも、本来は「エコロジー」から
名付けられたのが「エコハウス」
ではないでしょうか。

エコロジーの語源は生態学。
生物とそれを取り巻く環境の
学問です。

単に省エネルギーならエコ
というのではなくて

自然との応答に
どれだけ無理がないか

ということこそ
「エコハウス」と
言えるんじゃないかなあ。