建築の魅力をサインが低減する


僕の住む浜松市は
偉人をたくさん輩出しています。
(僕をはじめとして…と言いたいけど
僕は旧清水市・元静岡市清水区出身)

全国的には
ホンダの創業者
本田宗一郎が有名ですが

スズキもヤマハも
創業は浜松界隈だし

全国に名高い「天竜材」の
始祖とも言える金原明善のおかげで
今の林業があるのかもしれないし

産業やスポーツ選手が
注目されがちですが
芸術家ももちろんいます。

画家の秋野不矩さんは
旧磐田郡二俣町
今の天竜区二俣町に生まれました。

地元には1998年に
藤森照信さんの設計による
「秋野不矩美術館」が建築され
その後2001年に永眠されています。

インドにゆかりが深く
インドでの風景を
モチーフにした作品が多くあります。

秋野不矩美術館は公立なので
とても安い観覧料で
見ることができるのです。

久しぶりに行ったら
見たことのないモノが…

見るからに藤森作品というものが
鎮座…というか、浮いていました。

2018年に茶室が作られていました。
(普通に茶室って受け止めちゃうのが不思議…)

この美術館は有名なので
今更僕があれこれ評することはしません。

建築の見どころは公式サイトをご覧ください。

建物の見どころ・フロアマップ | 美術館について | 浜松市秋野不矩美術館 秋野不矩の公式WEBサイト
浜松市秋野不矩美術館へのリンクと一般社団法人秋野不矩の会への連絡ページ。

建築は評しませんが、初めて見た時から
ずっと気になっていたことがありました。

それは「サイン」です。

不特定多数の人が訪れる場合は
どうしても必要になります。

この美術館のサインは
建築時に想定していたであろう素敵なものと

後から仕方ねえなあ〜って
やったものが混在していて
大変に気持ち悪い!

例えば、このトイレのサイン。

これはわかりやすいし
最初から考えていたものでしょう。

ところが、この入り口付近。

扉に寄ると

これはもったいない…

この扉にこんなシールが被さることを
建築家は想像していなかったはず。
(藤森さんの場合は、ひょっとしたらわざとかも、だけど…)

この美術館は、上足というのも特徴です。

ところが、その上足への履き替えエリアが
こんなことになっているのです。

段差で転ばれたら困るわけで
何か目立つようにしないと
というのはわかりますが…

建築の良さが
とってもスポイルされてしまっている
ように思うんです。

サインとは違いますが
最初のドアが開いた後に待っているのが
このマット二連発。

(さらに外にもマットが二つある)

そりゃあ、泥は持ち込んで欲しくないだろうけど

この施設は入り口で上足に履き替えるんだから
マットなんかなくても成立するはず。

アプローチから玄関を開けた時って
建築に一番期待される場所
だと思うんだけど

ここは残念ながら
台無しになっている。

全国にある変態的な
藤森建築の中で

この美術館は比較的ソフトであり
展示も含めて良い体験が得られる場所
だと思う、それ故に

サインと玄関マットが
残念でならない!

けど、浜松市に文句を言うでもなく
こういうところで吐露するだけだけど

住宅では変なサインはないけれど
モデルハウスではたまに見かけます。

目に見えるものは全部
相手へのメッセージだから

ヘボいサインや
注意書きなどは
なくなってもらいたい!

と切に願う次第でございます。