結露が起きたら悪いのか?

結露は簡単に起きる
朝晩は少し涼しくなってきましたが
まだ日中は暑いですね。

先週、フランス・パリに
行っている人に聞いた話ですが
日中の気温は40℃超え

でも日本のように湿度は
高くありません。
(今年は少し高いようですが)

高温多湿、というのは
やっぱりアジアならではの
気候ですね。

例えば気温28℃
相対湿度50%の場合

不快指数は71.8(暑くない)

気温はそのままで
相対湿度が90%になると

不快指数は76(やや暑い)

相対湿度は簡単に測れるので
よく利用されますが

人の体感を表すには
気温と合わせて評価する必要があります。

空気中に含むことができる
水分量は空気の温度によって変わります。

この手の話の時によく出てくるのが
空気線図。

と、このあたりの話は
建築に携わる人なら常識

と言いたいところですが
そうでもないようです。

このところ、夏場の結露の
話題をよく聞きます。

実際に相談いただいた
とある現場の話。

雨でもないのに軒先から
水が大量に垂れてくると。

実はこの物件
屋根をカバー工法で
葺き直してありました。

既存屋根とカバーした屋根の間には
どうしても隙間が生じます。

棟換気なども行われていなかったので
ここの空気は積極的に動くこともなく
結露が発生して垂れてきていました。

この場合、既存屋根の防水が
しっかりしていれば
(あるいは防水シートがあれば)
一次的な雨漏りの問題はないですが

空気の逃げ道がない限りは
結露はまた起こります。

結露は、絶対に起こっては
いけないものかというと
はっきりそうは答えられません。

例えば、夏に見られる逆転結露は
壁の中に発生するので
タチが悪いものですが

ほんの一瞬、ごく僅かに結露して
すぐに乾いてしまう場合もあります。

常時発生して
湿ったまま、ということもありえます。

前者なら問題はほとんどないですが
後者はカビ、普及菌の繁殖など
家にダメージを与える可能性が大きくなります。

前者か後者の判断は
非定常計算である程度判別できますが
あまり一般的ではありません。

結露自体は再現性のある
現象なので、その条件を満たさなければ
発生しません。

結局のところ
「湿気を入れない」「湿気を逃す」
を意識して施工する
というのが一番の対策ですが…

たまにびっくりするような
現場に出会うこともあります。

設計者は「なぜこうなっているか」
を説明できるような図面を
書いて

施工者も「なぜそう収めるのか」
を理解して施工する

というのが理想ですよね。
(あたりまえ?)

そういう意思疎通ができている
現場、会社は強いなーと
常々感じています。

(つまり逆は弱いってこと!)