建築物の省エネ性能表示制度のwebサイト
来年4月にスタートする
「建築物の省エネ性能表示制度」の
webサイトがオープンしました。
色々ごちゃごちゃになっている人が
多いようですが
これは「販売・賃貸」向けの「表示」制度です。
「全ての建築物」の「省エネ義務化」は
再来年、2025年4月スタート予定です。
分譲住宅、賃貸住宅といった
すでにできたものをお客さんに提供するときに
その省エネ性能を表示することを義務付ける
という制度です。
なーんだ、注文戸建だけやってるなら
関係ないんだね、と思うなかれ。
新築の注文住宅には適用されませんが
中古住宅、買取再販住宅も対象になります。
モデルハウス(は、新築扱いだったり中古だったりしますが)
売却するというときも対象ということですね。
また、新築注文住宅を建てたお客さんが
建物を手放す場合、それを販売する事業者は
表示が必要になります。
性能ラベルとエネルギー消費性能の
評価書を発行し広告などにも
うたう必要があります。
紙面では大きさは60mm程度を目安、
でも目安としてA4サイズ以下なら
ラベルを掲載しなくてもよいという
逃げ道あり。
僕が気になったのは公開された
事業者向け概要資料にあったもの。
https://www.mlit.go.jp/shoene-label/images/guideline_gaiyou.pdf
(以下画像は同資料より)
この資料に
「断熱性能を上げるためにできること」
という項目がありました。
確かに断熱性能を上げるためには
それが正解かもしれないし
このラベルはそこを評価するものなんだけど
窓ガラスに日射熱を通しにくい
Low-Eガラスなどを使用することも
効果的です
とだけ書いてしまうのは
あまりに乱暴だなと。
太陽熱利用を真面目に考えるみなさんは
当然ご存知のように遮熱Low-Eは
冬季の日射取得にはマイナスになります。
ほとんどの地域で
夏の冷房負荷より
冬の暖房負荷の方が大きいし
夏は太陽高度が高いので
軒が出ていれば南面からの日射取得は
恐れるほどではありません。
(今ぐらいの季節の方が
南の日差しは暑いかもですね)
というわけで、
遮熱Low-Eだけがいいように
書かれちゃうと
太陽熱利用派としては
憤まんやるかたない。
全面遮熱Low-Eの高断熱住宅に
お邪魔したことがありますが
はっきりいって寒かった。
(元々あまり日が当たらないところ
だったというのも大きいけど)
日射取得は断熱性能が上がっても
大事なことですよ。
ランニングコストはタダだし。
オーバーヒートを心配する人もいるけど
暑かったら窓を開けたらいいじゃない。
窓はただの断熱性能の低い外皮
ではなくて
外部と通じる大切な場所です。
日射取得、通風、採光
外の景色。
こういう素敵な外からの恵みを
「断熱! 断熱!」と
断とうとするばかりなら
窓の代わりに
でかいテレビでもつけておけ!
なんて思っちゃうんだよなあ…
(現実的に、法的な最小限レベルの
窓の家が増えている気がします
そういう家で育つとどうなるんだろうなあ)